incursion
「博士やっとですね」
「あぁ…やっとだ、 苦節30年とうとうこの時が来たか」
「やっと本当にできたんだな…
で親父、どうすんだ?記者会見でも開くのか?」
「馬鹿はよせ…
地位や名誉を得るためにお前らは
私の研究所に手を貸したのか?」
「本気の本気で過去を変えたいと願った…」
「だからここにいて何年もの間、
研究を続けてこれたんじゃないのか?」
「いや違いますよ博士
僕らはみなあなたに拾われた…
そして僕らをあなたは息子と呼んでくれた…」
「僕にとっては過去をかえるなんて
オマケ程度のことですよ」
「ううっ… 泣かせてくれるわ…」
世紀の発明に喜びながらも博士と2人の助手は
これまでの苦労を回顧していた。
「うんうん感動するねー
早速実験とかしてみる?」
「てめーいつ起きたんだよ!」
「まぁまぁいいじゃないか、
昨日から徹夜で仕方ないさ
他の4人はまだねているのか?」
「あぁ父さんまだ他の4人はぐっすりだよ」
「チッ、何が完成まで起きてるだよ、
あっ昨日のアイツらの馬鹿ヅラ
この機械を使ってみて拝みにいこうぜ」
「それは面白そうだね、 やってみようよ父さん」
「ちょっと待ってくださいよ
こんな人類史に残る偉大な発明の最初が
そんなのでいいんですか。」
「いちいちお前は堅いんだよ、
それにこれは表にはでねーしな」
「博士ーやってみようよー
設定は僕らがやるからさー」
2人の助手が意気揚々とコンピューターに
なにやら打ち込んでいるのを博士と呼ばれる
60代の人物が後ろから微笑ましく見ていた。
「ピンポーン」
一年にそう何度も鳴らない研究所のチャイムが鳴る
「おっ、 博士ちょっと見てきますね。」
「おし、ok
アイツが帰ってきたらやってみるか」
「おそぃっ?」
バタン!
助手の声を遮るドアの音が聞こえると
黒服の男が4、5人部屋に入り銃口をこちらに向け
「お前があの有名な-博士だな一緒に来てもらおうか」
「この研究所の職員は皆、連行対象である
大人しくしていれば危害を加えるつもりはない。
残りの職員はどこにいる?」
黒服の男が全てを言い終えると突然
「ギィーーン」
機械の作動音が研究所内に響き渡った
この音を聞き黒服の何人かが臨戦態勢に入り
助手や機械に銃口をむけた。
すると
「止めろお前ら!
ここにある全てのモノは知的財産であり
私達にとってそれらの確保は至上命…」
バッ!
ワイワイガヤガヤ
ふと博士は目を開けると
そこには七人の助手[息子]がいた。