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とらべるぼーる  作者: 原雄一
第十一章 終幕《おわ》る
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鷹は鼬を喰らう

 爆煙がおさまって来た。もうもうとしていた灰色の煙が晴れ、視界が広がった。両者とも、未だに立っている。

 不意に、由樹の頸筋が弾けた。鮮血が舞う。由樹が膝を突いた。一瞬だけ将治の方を見て、フッと微笑んだ。

 崩れ落ちる由樹の身体に、将治は駆け寄った。


「由樹……由樹!」


 由樹は最後の一撃を放たなかった。将治を護るために、攻撃してこなかったのだ。だから将治は分かっていた。由樹がもう――目を開けないと言う事を。

 ずっと憧れていたのだ。スポーツができ、社交的で積極的な由樹に。

 それなのに、殺してしまった。この手で、親友を。憧れの対象を。

 気が付けば、将治の瞳からは大粒の涙が溢れていた。

 親友を失った。クラスメイトも皆死んだ。残ったのは自分一人。孤独なのだ。語り合う相手、遊ぶ相手もいない。メールを交わす相手もいない。独りでは、何もできない――!

 涙が頬を伝い、そして落ちた。それは将治が元に戻したヴァンに当たり――その途端、ヴァンが砕けた。本体も、クリスタルも、粉々に。


《くく……やっと決着がついたか……。おめでとう、国井将治。君は生を手に入れた。数多の敵に打ち勝ち、最後には親友を殺してまで手に入れたんだ! くく、祝福すべき事じゃないか……。さあ、帰してやろう。尤も、ヴァンが壊れた今、お前の傷が治るかどうかは分からないがな!》


 カチリ。視界が歪む。由樹が見えなくなる。最後に頭の中をよぎったのは、何故かクラスメイトの――『あいつ』の顔だった。



「将治ッ!?」


 母の、叫び声がした。

 第十一章《vs親友編》完結。


 死亡:三十三人

    浅井 由樹

    朝山 翔

    大西 亮

    加藤 健一

    加藤 慶尚

    黒川 幸太郎

    齊藤 正成

    桜庭 俊

    杉山 克義

    遠山 英治

    田沼 隆

    野際 明久

    宮川 将太

    望月 修

    八島 悠二

    米川 健次郎

    安西 英梨香

    石川 舞香

    大島 雪絵

    小川 文香

    唐沢 佐由里

    河本 詩穂

    柴田 遥子

    翠川 七江

    鈴鹿 美帆

    田淵 沙希

    出川 夕里

    土肥 優里枝

    西嶋 水希

    御調 奈菜

    山木 桃子

    渡部 成美

    奥島 瑞穂     

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