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とらべるぼーる  作者: 原雄一
第十章 成仏《のぼ》る
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豹は鷹の楔を奪う

「……っ、翔!」


 不意に結城が顔を歪めた。見れば、左脇腹にソードが刺さっている。その剣の持ち主は、朝山だった。

 結城の腹に刺さるソードは、米川の身体を貫いて刺さっている。朝山は目に涙を溜めていた。友を貫いて敵を刺したのだから当然だろう。結城は悶絶する。


「っぐ、お前ら……っ」


 結城は将治から奪い取ったヴァンをガンに変形させた。米川ごしに朝山を銃撃する。朝山は右肩に被弾したが、痛みを堪え一層深くソードを突き刺した。足の浮いた米川も揺れる。

 結城はソードで抉られないように左手で押さえた。――そこに由樹が飛びかかる。

 結城がソードを振るう。由樹は後ろに退いてそれを避けた。流れたソードを掻い潜って接近する。ソードで一撃を加えようとした。結城はガンを握る左手で脇腹に刺さるソードを後ろに押し、同時に屈んで由樹の剣をかわした。脇腹から血が溢れる。


「くそっ!」


 由樹と朝山がほぼ同時に舌打ちし、朝山は米川から剣を引き抜いて敵から離れた。あまり血は出ない。米川はもう死んだのだろう。

 由樹はそのまま追撃に移った。野球のフォームで結城に刃を向ける。結城は軽やかに宙を舞ってそれをかわした。そのまま身体を捻ってガンを撃つ。しかし弾は僅かに逸れたらしく、由樹の頬骨を抉るだけに終わった。それでも由樹の頬には焼けるような痛みが走っている事だろう。

 由樹は離れ際に、着地した結城を斬撃した。しかしそれはいとも容易く防がれ、二人は再び距離を取る。


「国井のヴァンを取り返さねぇ事にはどうにもなんねーよな……」


 由樹が呟いた。朝山も頷く。


「行くぜっ」


 由樹が武器をランスに切り替え駆け出した。朝山も血に塗れたソードを持って接近する。その光景を見ている事しかできないのが、将治は悔しかった。

 由樹が華麗な突きを見せた。結城はそれをかわし、ソードを振りながら朝山を銃撃した。由樹は上体を反らして攻撃をかわす。朝山の方は狙いが逸れ、黒い球体の一部が弾けた。

 結城は左手のヴァンをサーベルに変形させた。上から下へ、力任せに振るう。狙いは由樹のランス。柄に凄まじい衝撃が走り、ランスの刃は地面に喰い込んだ。

 結城はそのままソードを横に振るった。由樹は自分の方へ上がっている柄を思い切り踏み付けながら屈み込む。ランスを持ってサーベルに変形させ、体を捩りながら結城の首を狙って一閃。しかしかわされ、残ったのは崩れた体勢のみ。

 結城の剣の切っ先が由樹に迫る。そこへ朝山が飛び込むが、サーベルで止められた。朝山はサッカー部の経験を生かし、結城の腹部を蹴った。ソードが刺さった傷がある部分である。結城のソードはふらりとぶれ、由樹には当たらなかった。

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