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とらべるぼーる  作者: 原雄一
第八章 敗北《まけ》る
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鷹は過去の己を悔い、飛ぶ

 将治らが教室に帰った時点で二時間目は終了しており、彼らは三時間目の準備に取り掛かった。が、将治だけはその集団の中におらず、校舎の屋上にいた。

 将治は、この屋上から見える景色が好きだった。昼休みになるとする事もないので大抵はここにいる。しかし今は昼ではない。屋上にいるのは、将治だけだった。

 自分の事を好いてくれていた翠川が死んだ。最期の言葉を遺す前に死んだ。彼女はさぞ悔しかった事だろう。

 頼みの綱だった結城が死んだ。自分は残されたクラスメイト達を護りきる事ができるだろうか。これからまた、友の死を何度も目撃しなければならないのではないだろうか。

 将治は、フェンスに体重を掛けた。

 よく考えてみれば、この理不尽な戦いが始まって以来、自分はクラスメイト達の心情に気を配れていなかったのではないか。自分の事ばかりで――或いは死んだ者の事、どうやって敵を斃すかにばかり気を配っていて、友人たちの気持ちを察してやれなかったのではないだろうか。

 無論、将治がそれを察したからといって何が変わるわけでもない。しかし、それを察する事によって励ます事、慰める事もできたのではないだろうか。

 自分には反省すべき点が山程ある。クラスを仕切ってリーダー面していたくせに、何人も友を死なせたと言う失点が。将治はゆっくりとフェンスを乗り越え、下を見た。眼下には、狭苦しい校庭が広がっていた。

 今までの出来事すべてに想いを馳せた。凡庸な入学式。緊張した初日。中学に入って仲良くなった友達。――そして由樹。届けられたヴァン。始まった理不尽ゲーム。死んでいく友。徐々に解明される謎。

 そして、自分を恥じながら将治は両手を広げ、軽く地面を蹴った。校庭が、どんどん近付いてきた――。

 第八章《vsロボット編》完結。


 死亡:二十五人

    大西 亮

    加藤 健一

    加藤 慶尚

    黒川 幸太郎

    齊藤 正成

    桜庭 俊

    杉山 克義

    遠山 英治

    野際 明久

    宮川 将太

    望月 修

    八島 悠二

    安西 英梨香

    石川 舞香

    大島 雪絵

    唐沢 佐由里

    河本 詩穂

    柴田 遥子

    翠川 七江

    鈴鹿 美帆

    田淵 沙希

    出川 夕里

    土肥 優里枝

    御調 奈菜

    奥島 瑞穂

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