楔と曾祖父
「私の曾祖父は、モンスターたちをただ収容するだけでは飽き足らなかった」
〈支配者〉は言った。
「曾祖父はモンスターたちをある程度手懐け、ある改造を施した。それはまず、自分に対して攻撃しないようにするのと、転移能力を授ける事だった」
ここでやっとヴァンに関係のある話題が出てきた。
「言い忘れていたが、私の曾祖父はとある研究をしていた。空間転移についての研究だ。遠く離れた土地に一瞬で移動する方法はないかといつも模索していたんだ。そしてそれは、丁度その頃開発されていた。それがつまり、ヴァンの原型だった訳だ」
青年は、自分の胸に埋め込まれているヴァンの事を思った。〈支配者〉は、これによって自分の命を握っている。しかし、中枢に行ってしまえば、下手に殺される事はないだろうと――。
「その能力をモンスターたちに与え。ヴァンの研究もさらに進めた。そして今のヴァンが発明された頃――曾祖父は四十八歳だった。曾祖父がモンスターを集めていたのは、この実験のためだった。実験が終わり、空間転移のできる宝玉が完成すれば、用済みになる。曾祖父はモンスターたちを蹂躙しようとした。――しかし、できなかった」
青年は少し驚いた。手懐けていたから情が移ったのだろうか。
しかし、そうではなかった。
「モンスターたちが力をつけすぎていたんだ。空間転移の能力を身につけた副作用によってパワーアップし、とても手のつけられる状態ではなくなったんだ。そこで曾祖父は、あるアイデアを思いついた」
それが、このゲームだったという事か。
「それが、このゲームだった」
まさにその通りだった。
「ヴァンを使って人々を呼び寄せ、モンスターと戦わせた。それが尽きると次の人々を呼び出し――という具合だ。それが今まで続いている。――それだけの話さ」
〈支配者〉は、意地悪く口の端を歪めた。
いやー、コピペって良いね!




