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獅子は己が曾祖父の思い出を語る
「反国家軍が仕掛けた戦いだ。彼らは常日頃から国家に対して反感を抱いており、そしてこの時の出来事は、その不満が一気に爆発した瞬間だった。正義軍も国家を護るために戦った。それが百五十年前の事だ」
〈支配者〉は青年――Sの方を見た。
「彼らは長い間敵対した。反国家軍が一歩も譲ろうとせず、戦争が長引いたのだ。そして彼らは国家に対する不満を募らせていき、やがて――」
〈支配者〉は忌々しい事を言おうとするように、唇だけを動かすようにして喋った。
「――やがて、モンスターになっていった」
突飛な話だ。人間がモンスターになるなど、俄かには信じがたい話だった。しかし、怨念の籠った品が化け物になると言う話も聞く。人間が化ける事も有り得ると言う事だろうか。
「戦争は正義軍の勝利に終わった。しかしモンスターの一部は生き残り、国家に捕えられたままだった。――やがて国家が滅び、モンスターを捕えておく者がいなくなると、モンスターたちが暴れまわり、檻を破壊し世に出てきた」
〈支配者〉は足を組みなおした。
「それを再び捕えたのが、わたしの曾祖父だった」
各話の長さがひどくまちまちなのは、僕の技量不足でしょうか。




