鷹は死者達に誓う
「国井……」
「落ち込むなよ……」
将治と大西の一部始終を見ていた者たちが、将治を慰めてくれた。しかし将治は返す言葉が思い付かず、「ああ……」とだけ呟いてまた黙ってしまった。結城はやはり、気まずそうにしていた。
「国井……」
出川は途中で阿修羅に吹き飛ばされたが、どうやら死ななければどんな傷でも復活し、こうして白い部屋に戻って来られるらしい。
「…結城……今回のヴァン・ウェポンは?」
将治は顔を上げずに訊いた。「ああ」と呆けたような結城の声が帰ってくる。
「今回は〈ヴァン・サーベル〉だ。ソードよりもリーチが短いが、その分高い殺傷能力を持つ」
将治はそれを聞いて、弾かれたように顔を上げた。
「…そういう事か……ど畜生め……!」
「国井?」
何人かが訝った。
「〈支配者〉……あいつ、とんでもねぇ正確してやがる。……麒麟と戦った時、会得した武器は何だった?」
「〈ヴァン・シールド〉だろ?」
「じゃあ、アリジゴクの時は?」
「〈ヴァン・ソード〉」
「そう……そして今回はサーベル……。完全にそうだ。与えられる武器は、俺達が戦った敵を斃すのに必要だた武器なんだよ」
間違いない。アリジゴクの時、パワードナックルは殆ど意味を成さなかった。しかし、ソードがあれば斬れたに違いない。そして阿修羅も、ソードより切れ味のいいサーベルであれば斬れた筈だ。麒麟の時はそこまで顕著でもないが、もしシールドがあれば杉山も河本も死ななかっただろう。
「〈支配者〉……」
将治は改めて〈支配者〉のあくどさを呪った。
「くそ……」
そして、切に誓う。こんな理不尽な戦いは、いつかぶち壊してやる、と。大西の――今まで死んだ者たちの犠牲は無駄にしない、と。
俺は――。
俺はいつか、この戦いを永遠に封じてやる。
将治は、胸にそう誓った。
第五章《vs阿修羅編》完結。
死亡:十五人
大西 亮
加藤 健太
黒川 幸太郎
齊藤 正成
杉山 克義
遠山 英治
八島 悠二
石川 舞香
河本 詩穂
柴田 遥子
鈴鹿 美帆
田淵 沙希
土肥 優里枝
御調 奈菜
奥島 瑞穂




