次なる虎は、アリジゴク
将治の予想通り、彼らは〈白い部屋〉にいた。
考えてみれば、一日の間に呼び出しは一回だけなどとは誰も言っていない。一日の内に二度呼び出される事も考えられなくはないのだ。
そしてそれは正しかった。
「……嘘だろ…………」宮川が呟いた。「まだやんのかよ……!」
将治は唇を噛んだ。こんなゲームを作った者の気が知れない。本当に人間か? と疑いたくなるほどだ。
「……取り敢えず服を着ようぜ」
慶尚が言った。慶尚は、なんだかんだで将治の次くらいに仕切っている。面倒くさがりの将治としては嬉しい事だった。
皆は無言で服を着始めた。結城によると、〈バトルスーツ〉と言うらしい。前のチャックを閉める。
ヴァンから映像が投影された。最初こそ驚いたものの、四度目となる今となっては、もう慣れっこだった。
今回投影されたのは、一見するとアリジゴクのようだった。しかしよく見ると違う。達磨落としのように何段にも体が積み重なっていて、そこから十数本の足が伸びている。口の先はクワガタのようで、あそこで餌を捕食するのだろうと想像できた。
カチリ。将治らは空間に吸い込まれるようにして消えていき、行き着いた先は砂漠だった。
ゆっくりとした震動が地の底を伝わってくる。それは例えば、トラックが信号で停車している時のような、妙に心地いい震動だった。
将治達は全員〈ヴァン・シールド〉を構えていた。
〈ヴァン・シールド〉は盾に長い機動隊の盾のようなタイプではなく、丸みを帯びた三角形が下を向いているという感じで、龍の鱗のような模様が入っていた。中心部には黒い球体が据えられている。恐らくヴァンの本体だろう。
震動が大きくなってきた。そして、不意に止んだ。




