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その6



○登場人物


  宮尾大和・みやおやまと(特に何かに秀でたこともなく毎日を生きている)


  橋山加奈子・はしやまかなこ(生まれつき病気を抱えたまま生きている)


  南江くるみ・みなみえくるみ(加奈子の友達で良き理解者)


  山津高志・やまづたかし(大和の小学校からの友達)


  村石樹・むらいしいつき(大和の中学校からの友達)


  武正七恵・たけまさななえ(大和の高校の同級生、自由人で大和を気にかけてる)


  橋山達夫・はしやまたつお(加奈子の父親、医者で加奈子の病気を気にかけてる)


  橋山時枝・はしやまときえ(加奈子の母親)





 それから6年の年月が流れた。


 特に大事はなく、僕にとっての普通といえる日々だった。


 僕らは中学生になっていた。


 能力判定みたいな試験はあったけど、合否が分けられるような受験形式のものじゃな


く助かった。


 合否のあるものだとしたら、きっと僕は振りおとされる側だろうから。


 結局、小学校のときの同級生がそのまま入学するだけのことだった。


 つまらないとまでは言わないものの面白味はない。


 制服を着てるぶん大人になったような気にはなってたけど、中身はこれといって変わ


っちゃいない。


 少し背伸びしてみた子供でしかなかった。


 僕はあいかわらず勉強が苦手で、健康だけが取り得な少年だった。


 勉強は授業を重ねるごとに分からなくなっていき、中間試験や期末試験のころになる


と憂鬱な気分に落ちこんでいく。


 そんな自分を誰より分かってるくせに、試験はそこそこ頭のいい友達に頼ってヤマを


張ってもらうだけで、これという対策もしようとしない他力本願な救いようのないやつ


だった。


 試験の答案用紙や通知表ほどわずらわしいものはなく、何度も帰り道に捨ててやろう


と思った。


 なのに、それすら実行できずに抵抗もなく親に叱られる運命にあう。


 そこで反省はするものの、次も同じことを繰りかえす典型的なバカだった。


 そんな僕とは違って、加奈子ちゃんは着実に成長していた。


 授業で学ぶことに興味を持って、勉強もして得意にしている。


 うらやましいかぎりの性質でぜひとも交換してもらいたかった。


 もちろん、そんなことは出来るはずもなく。


 宿題や試験勉強で頼らせてもらうこともあるし、勉強の仕方っていう根本的なところ


まで教えてもらったりもするけど、僕にはどうにも定着しなかった。


 教えがいのない相手だけど、加奈子ちゃんはしょうがないなというふうに毎度付きあ


ってくれている。


 そんな僕の落ちこぼれ話をいつも加奈子ちゃんは笑って聞いていく。


 こんなやつもいるんだっていう新鮮さがあるんだろう。


 健康面においては小学校のときと変わりはなかった。


 体育の授業や激しい運動はせず、たまに保健室のお世話になっている。


 そして、長期の休みになると検査入院をする。


 このころになると、僕にはもうそのサイクルが通常なんだと組みこまれていた。


 それ以上でもそれ以下でもないものとして。


 2人の関係にも変化はなかった。


 週に2回か3回は一緒に帰って、月に1回か2回は遊んで、彼女が入院したときには


面会に行く。


 それ以上でもそれ以下でもなく。


 中学生になって、恋ってものやその奥にあるものに多感になりはじめてはいたけど、


実際に自分に置きかえるのはまだ難しかった。



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