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プロローグ
「なんだこいつらは」
困惑する女の前に広がるのは、見たことない動物達がお互いに殺し合ってる。
片方は大きめのサイ。ツノは鋭く刺すためにできていた。
片方はゴリラのようだった。実際に見るゴリラの3倍の大きさであること以外は特出する点もない、しかしその大きさこそ1番の厄介な点だろう。
ゴリラが思い切りサイの顔面を殴り、硬い骨で作られたサイは食らった様子もなく、ゴリラに向けて突進をした。
それを避ける、お互いに殺し合いだ。弱肉強食の世界ゆえ当然だろう。
それをしばらく眺めていた女が、身体をカチカチと振るわせた。
怖いのだろうか、この後の自分はどうなるのかという恐怖で身が縮こまるのも無理はない。
しかし、しかしだ。女の目は恐怖の目ではなかった。
まるでお宝が、大きな財宝が目の前にあるかの様なキラキラした目をしていた。
怖くて震えたわけではない。それよりこやつらをどう倒してやろうという武者震いなのだろう。
我慢できなかった。2週間断食をした上に食べる重湯の様に。急く気持ちは抑えられなかった。
「私も混ぜろーー!!」
大声を出し、木刀をぶんぶん振り回して殴り込む女の存在だった。
この物語は、日本で生まれ日本で育ち、貴族の生まれでありながら。心は武人のあべこべな1人の女の異世界ファンタジーである。




