5話 ベルは優秀
体調不良により遅れたのと文量が減ってしまいました。ごめんなさい
「(うむ、お主の言っていた条件に合致するのはこの辺りではないか?)」
「うん…!すごい、いい…!」
開けた土地、近くにある川、森などともアクセスしやすいので資源も豊富!ここにしようかな…?
「うん…地面、固い」
ボーリング調査なんて大掛かりなものはすぐにはできないのでとりあえず土壌の様子を確認してみる。…うん、農業もできそう。
場所を決めたからすぐに開拓…とはいかなくて。もう食料が底をついてしまってる上に栄養的な問題も大きい。ということで一番近くの森で食料を調達してくることにした。
「このキノコ、食べれる…?」
「(うむ、食べれる)」
明らかに見た目が毒キノコなキノコだったり。
「虫、食べなきゃ…だめ?」
「(栄養はあるからな)」
虫だったり。それも…甲虫…最悪。
とにかくできれば口に運びたくないようなものばかりなのでどうにかしたい。やっぱり農業は早めにするべきだ。こんな生活してたらノイローゼ?になっちゃう。
「うぅ……」
「(とりあえず…基盤整えるのを頑張るぞ)」
「うん…そうする」
これ、殺し屋じゃなかったら既に死んでる気がする…。
初めて殺し屋であったことに感謝しながら木を斬っては建築予定地に運んでいく。あとは…金属がいるんだけど…。
「ねえベル。ここで戦った人の忘れ物とかはあったりする?」
「(剣とか弓とかそんなものしか無いがな…一応あるぞ)」
「ちょうだい」
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「オノ、ある」
「(そんなものをどうするのだ?)」
まあそう思われても無理はない。木程度なら〈天涯〉を使えば一瞬で切れてしまえるからだ。
そう、使いたいのは斧の持ち手の部分。金属は今すぐにはどうしようもないからとりあえずおいておく。…錆びてるしね。
「ここに木の板をつければすごい簡易的な鍬とシャベル。これで畑作る」
「(川の近くなのはそれが理由か?)」
「うん。種取ってくるか、水路作るか。選んで」
「(では私は水路を掘ることにしよう)」
「お願いね」
畑の場所…というか田んぼになっちゃう気もするけどとりあえず位置を指定して掘ってもらう間に私は丘の方に向かう。私、目がいいから見えちゃったんだよね!
「あった…麦」
自生してる麦。これの種さえあれば麦を育てられる。しかも安定して供給できる。…時間はかかるけど。
とりあえず次は一旦回収しておくのとあと何種類か食べれそうなやつを育てたい。ジャガイモとか探せばあるかも。
育てやすさ的にもジャガイモがあるだけで難易度が一気に下がるんだよね。寒さに強い上に病気にも強い。そしてサイクルを回しやすい。ジャガイモをまた地面に埋めておけばとりあえずどうにかなると思うし。
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「(どうだ?このくらいでいいか?)」
「うん、すごく良い」
まだ川とは繋げてないけどすぐに繋がりそうなくらいの距離を短時間で掘ってくれたベル。本人は泥だらけなのはいやだから水浴びをして、今私にブラッシングをさせている。
ちなみにジャガイモ?みたいなやつはあったから回収はしておいた。…食べれるかなんて知らないもん。
ブラッシングに関してはなぜか鉄製のタワシがあったためそれの再利用だけど…。多分錆を落とすようだったのかな?
「(ありがとな!)」
「どういたしまして」
多分今植えてもまともに育たない気もするし、それこそ種とかは街で買ったりした方が安い可能性も十分にある。……やっぱり働きたくないや。
こういうサバイバル生活?で努力する分には楽しい上に自分で好きなことをできる。けどどこかで働くとなると自由が効かなくなる。
それを避けるためにこうしているわけなんだけれども…。うーーーん………。
考えてもいい案なんてすぐに思いつくはずもなく、またベルの毛を布団代わりに眠りにつくのだった。