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1話 生きるための最低限

衣食住。まずはこの三つを確保するために水を探して木の上…、枝を飛び移りながら移動している。幸いなことに体力は全盛期と全く変わってないようだったので割とずっと移動を続けている。


「…あっ。見つけた」


枝から飛び降りて水場まで走っていく。——うん。ちゃんとある。


とりあえず水場の目の前でしゃがんで鏡みたいな使い方をして自身の姿を見る。顔は昔と変わらない。八重歯、7:3くらいで左右に分かれた髪。その7側を止めるちょっと変わった形のヘアピン。


あと……染めたかのような変わった髪も何故か健在だ。ヘアピンで止めてる髪の下にある真下に伸びてる髪と後ろの方の髪の全部、何故か赤黒い。薄めの黒が基調の髪に混ざる赤黒い髪。……なんで私の髪の毛は先っぽだけが変色するんだろう。


「水…飲めない」


よく考えたら川があったことでいろんなことができるようにはなったがこれを飲むことができない。飲み水がないと話にならないよね…。


木の枝にジャンプして乗るを繰り返して木の頂上まで行って周りを見渡すも何もない。……煮沸しようにも使えそうなものはない。


「火、…起こす」


〈天涯〉が鞘から引き抜かれて、木に向けて振るわれる。一刀両断とはこのことだろう。横一文字に斬られた木がバタリと倒れ始める。それに神速の斬撃が幾度となく繰り出され、木が細かく斬り刻まれる。それらは薪のような形に綺麗、そして均等に斬られた。


地面にあった乾燥してそうな枝を手に取って刀の刃に近づける。そしてゆっくりと先を尖らせていく。刃を固定して枝を回転させながら綺麗に先を尖らせた木を近くにある古い乾いた木に押し当てる。


勢いよくそれを回転させた。とりあえず錐で穴を開ける時みたいにくるくると手のひらで転がしていく。


「……やっと、ついた」


本当に小さな種火に乾いた枝を削った時の小さな薄い紙のようになったものを被せて空気を送り込んでいく。


それにも火が移ったら今度はそこら辺に落ちた松ぼっくり?みたいなものに火がつくかを試してみる。


「……つかない」


とりあえずまだ少しだけ残ってる薄くスライスした枝を入れてはいるがすぐに消えてしまう。


「……仕方ない。これは……仕方ない…!」


再び鞘から〈天涯〉を引き抜いて、その刃がこちら側を向くように構えた


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「暖かい……」


やっぱり夜はかなり冷えた。季節的には今は秋だろう。きのみとかあったし。とりあえず火は確保できたから今日は徹夜で作業を進めていく。


まずは細い木(直径8cmくらい)に〈天涯〉で穴を開ける。奥の方が細くなるようにしたら中を軽く火にかけて消毒する。その後下に布をセットしたあと、火で熱して消毒小石、砂利を入れた後に上の方にある炭の灰を落とし、砕いた状態で敷き詰める。その上に砂、そしてもう一度上に布をセットする。


後は水が出てくるところに熱して消毒したきのみの殻を置いて上から水を流す。怖いからその水の入ったきのみを軽く火にかける。なんか…、こっちのきのみって全然燃えない。


「いただきます…」


できる限りのことをした水を口に運ぶ。これでうまくいけば明日以降もどうにかなるだろうが…。


えっ?布はどうしたかって?


「足元…寒い……」


ちょっと短くなったスカートをしっかりと押さえて火で暖を取るのだった。


一応言っときます。彼女が履いてるのはロングスカートです。短くなったといっても膝下(膝から2.3cm)まであったのが膝が少し出るくらいになった程度です。

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