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玖の7 現在のところ予定はございません

 UR都市機構が主要株主で、東京大法学部を卒業後の一九八一(昭和五十六)年に就職したUR都市機構(当時は日本住宅公団)から代表取締役として出向するJS日本総合住生活、伊藤治(一九五八-)社長と、同社従業員で管理主任、田代修に返信用切手同封で送り付けた質問状への回答は、なかなか来ない。

 質問状作成に当たりおれは、期日を設定しなかった。URサイドの動きを観察しようと目論んだ。

 観察しながら、スーパー三和周りの警戒も怠らない。顧問弁護士らに、アスキーアートを送信し続ける。

 日本総合住生活から反応があったのは、質問状送付から二週間経った八月一日のことだ。前日の消印入り特定記録郵便を受け取った。

 差出人欄は、《大和市深見台3-1-13/日本総合住生活株式会社/総務業務課》。ボールペン字手書きで、男文字にも女文字にも見える。男文字、女文字の見分け方やその根拠については、章を改め詳述する。

 宛て名のおれの住所、氏名は、活字を打ったラベルが貼られている。


《 令和5年7月31日

奈良北団地2号棟805号室

森 様

  日本総合住生活株式会社


現在のところ、貴殿より送付された書面にある手続きを取る予定はございません。

尚、弊社社長及び管理主任宛てに送付された120円切手2枚を返却させて頂きます》


 本文二行を含めすべて活字のペラ一枚には、重大な要素が記されている。

 現在のところ――。

 つまり、おれの書面にある、田代が述べた「正規の手続き」「接近禁止命令」を、将来的には敢行する。それを彼ら日本総合住生活は、否定しない。


 翌日、こんな内容の郵便を二通、投函した。


《 二〇二三年八月二日

日本総合住生活株式会社

総務業務課御中


  〒二二七-〇〇三六

  横浜市青葉区奈良町二九一三

  奈良北団地二-八〇五

  森史×

  電話 〇九〇-××××-××××

  ファクシミリ 〇四五-九六一-二〇七七

  メール ×××××@×××××


冠省 貴社発(封書の差出人欄は貴課)令和五年七月三十一日付け文書を特定記録郵便で拝受しました。

 貴社(課)におかれましては、同文書で「現在のところ/予定」がないとする田代修管理主任が同六月五日当方に宣告した「正規の手続き」そのほかを早急に敢行するよう、改めてお願いいたします。

 公判、口頭弁論の場で、貴社ならびに田代管理主任ら貴社職員の瑕疵、反社会性、犯罪性を明らかにするためです。  草々》


《 二〇二三年八月二日

株式会社URコミュニティ

神奈川西住まいセンター

課長 神田裕治様


  〒二二七-〇〇三六

  横浜市青葉区奈良町二九一三

  奈良北団地二―八〇五

  森史×

  電話 〇九〇-××××-××××

  ファクシミリ 〇四五-九六一-二〇七七

  メール ××××@×××××


冠省 本年六月十四日、当方宅団地集会所における貴職らとの面談に関し、依頼ごとを申し述べます。

 同六月五日における当宅団地管理サービス事務所職員による当方への凶行にまつわり、日本総合住生活株式会社・伊藤治社長ならびに同社神奈川西支店・田代修管理主任に七月七日付けで別添のコピー文書を送付したところ、日本総合住生活株式会社を発出人とする(封書の差出人欄は同社総務業務課)同七月三十一日付け文書(コピー別添)を特定記録郵便で受け取りました。内容は、添付の当該コピーでご確認ください。

 六月十四日の面談終了間際、貴職は、「(田代修管理主任が言うような『正規の手続き』は)何度もやり取りをした結果そうなる」「(団地管理サービス事務所には今後も)近づくな」との趣旨の発言をしました。

 当方としては貴職らの責任を民事、刑事双方で追及するため田代管理主任がいうところの「正規の手続き」そのほかにさらされる必要があるので、貴職におかれましては、早急にその手配方お願いいたします。

 また、貴社ないし貴職による当方の団地管理サービス事務所への〈接近禁止〉は現在も続いているととらえてよいか、もし解除されたのなら、その時期と解除事由についてお聴かせ願います。

 貴職ならびに貴社・松縄某による当方への電話での脅迫問題は、機会を改めます。

 返信用に郵便切手(額面八十四円)を同封します。不足する場合、着払いで送っていただいて構いません。  草々》


 当時は定形郵便封書二五グラムまで八十四円だった。

 いや、そんなことは、どうだっていい。「玖の5 新宿へ電話しただろう」執筆時には忘却していた神田の脅し文句が、当時の記録を探索すると、まざまざと思い出される。団地管理サービス事務所隣の集会所で神田は、「何度もやり取りした結果そうなる」と、田代発言を追認しているのだ。


 株式会社三和やその顧問弁護士に対するのと同様、おれは、UR都市機構周りへの攻撃の手を緩めない。株式会社三和が登記簿上の本店を置くスーパー三和旗艦店テナントや、顧問弁護士が所属する法律事務所と同じビルに入居する事業所までターゲットを広げたのと同じように、日本総合住生活、伊藤治社長邸宅近隣住人へも書簡を郵送した。

 

《××××様

 お隣の伊藤治さんと連絡が取れず困っております。同封の黄色い封書(糊付けしておりません)を、伊藤さんにお届けいただけますよう、お願いいたします。


  〒二二七-〇〇三六

  横浜市青葉区奈良町二九一三-二-八〇五

  森史×

  電話 〇九〇-××××-××××

  ファクシミリ 〇四五-九六一-二〇七七

  メール ×××××@×××××


二〇二三年八月二日》


 A4用紙に刷り出し、三つ折りで長形3号封筒に入れる。《黄色い封筒》は一回り小さい長形4号で、B5用紙に刷り出した伊藤治宛て文書を入れる。


《 二〇二三年八月二日》

伊藤治様


  〒二二七-〇〇三六

  横浜市青葉区奈良町二九一三

  奈良北団地二-八〇五

  森史×

  電話 〇九〇-××××-××××

  ファクシミリ 〇四五-九六一-二〇七七

  メール ×××××@×××××


冠省 本状をお隣の××××さんに託します。

 貴殿が代表を務める法人名義発当方宛て七月三十一日付け文書は、「現在のところ/書面にある手続きをとる予定は」ないとしますが、七月七日付け貴殿ら宛て文書で当方は、「早急に当該関連『手続き』方、ご手配いただくようお願い」しているのであって、予定が「ある」とか「ない」とかを問題には一切しておりません。

 文面の意味するところ、ないし貴殿配下・田代修管理主任の職権に基づくであろう宣告をご理解の上、早急かつ確実に「正規(せいき)手続(てつづ)き」の敢行をお願いいたします。  草々》


 隣人を攻める前に、同居の家人を揺さぶろうとも考えたが、まどろっこしいから一気に塀を越えた。ただ、伊藤治の素性つまり日本総合住生活の社長ということは、隣人宛て「怪文書」では記していない。

 怪文書は、それが隣人宅に送達したであろう日を待って、次の隣人に発出。計四人に送っている。そのうちの一通くらいは、伊藤社長の手に届くだろう。


 そんな矢先の早朝、神奈川県警青葉署に踏み込まれたから、彼らの用件はスーパー三和のことではなく、UR都市機構周りだと、おれは誤認したのだ。


       ◇     ◇     ◇


(拾 素性を知らない強行犯係「1 セレナ、プリウス、キザシ」に続く)

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