表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第二章落ちてきた二番弟子

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/330

69話《大学生》紫音

「紫音ちゃん、おはよう。もうできるから座って待っててね」


私が朝のメイクを済ませて起きてくると、ルームメイトが朝食を作ってくれていた。

同い年なのにテキパキと朝食の乗ったお皿を並べていって、姉の様な存在だ。


「今日は紫音ちゃんの晴れ舞台だからね。張り切っちゃったよ」


そう言ってテーブルに置かれたのはカツ丼と豚汁にサラダだった。


「ねえ、朝から重くない?」


「勝つ!だからね」


「晴れ舞台って言っても入学式で受験じゃないよ」


「でも、首席合格だから代表してスピーチとかするんでしょ?」


「まあ、それはそうだけど…」


そう私は苦笑しながら、2人でいただきますをして私は一口豚汁を啜った。

重いとは言ったが、19歳の冒険者の胃に負担は無い。


「美味しい」


思わず言葉が漏れた。


いつもは朝からこんなに豪勢では無くて、トーストにスクランブルエッグ、ウインナーとコーヒーだ。

それも、2人で一緒に用意する。

まあ、私はトーストをトースターに放り込んでつまみを回しているだけなのだが。


それを、今日は早起きして作ってくれていたのだ。

私の言葉にルームメイトは笑顔である。


「でも、やっぱり勝つは違うと思う」


そう言って、私は(どんぶり)に盛られた豚カツをご飯と一緒に口に入れる。


「でも、入学式に来てくれるんでしょ?やっぱり私も行こうかな?」


「用事あるんでしょ?無かったとしても恥ずかしいからやめて欲しいけどね」


そう言って、私は照れ隠しに今度はまた豚汁を啜った。


朝食を終えて、新品のスーツに着替える。

このスーツも、この日の為にレベッカさんが送って来てくれたブランド品だ。


出かける前に、首に下げているネックレスをシャツの中にしまった。

ルームメイトとお揃いのネックレスはあの人からの贈り物だ。

埋め込まれた石は彼女がルビーで私がアメジスト。


「紫音ちゃん、ほら、もう行くよ!」


「まってよ、火蓮ちゃん!」


私を呼ぶ声に慌てて玄関へと向かった。



一年前、東京に移住して生活の地盤が整った頃、黎人さんから私は卒業を言い渡された。

実際、冒険者免許は取ってしまったし、私は歩ける様にもなった。

半年と数ヶ月とは言え、その時間は濃密で、それが終わりを告げる事が、私は寂しかった。


「まあ、卒業とは言っても、紫音はずっと俺の弟子だからな」


そう言って、笑顔で渡された箱の中に入っていたのがこのネックレスであった。

私は黎人さんの2人目の弟子だけど、弟子が巣立つ時にこのネックレスを渡す事にしていると照れ臭そうに笑っていた。

巣立ったら関係が無くなると勘違いした一番弟子からの慣わしだそうだ。


そう話す黎人さんの話に、火蓮ちゃんが顔を真っ赤にしてたのは可愛かったな。


そして、一年が過ぎて、私はやっとスタートラインに立った。

昔の私みたいに体の事で人生を諦めてしまう人が少しでも減る様に。

日本では悪い様に扱われている冒険者としての可能性。

私が、黎人さんにしてもらった様に将来少しでも多くの人の力になれる様に。


私はこの東京の大学の医学部に入学する。

まだまだ、目標までに乗り越える事は山の様にあるだろう。


とりあえず、今は首席のスピーチだ。


今日の入学式は黎人さん、師匠も見に来てくれている。


シャツ越しにネックレスへ手を置いて力をもらう様に心を落ち着かせる。

そして、亜桜紫音の名前が呼ばれて出番となり、壇上へと上がる。


気合いの入り過ぎた少女の瞳は、薄っすらと紫電の色(うすむらさき)に輝いていた。




                第二章完

『願ってもない追放後からのスローライフ?』


2巻11月15日発売予定!

書籍版はwebよりボリュームアップ!

火蓮と紫音のエピソードも!是非予約してださい!


1巻は既に書店、Amazonなどで購入できます!

もう少し下にスクロールしてもらうとリンク貼ってありますので買ってくれたらとてもとても嬉しいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『願ってもない追放後からのスローライフ?』 2025年8月28日漫画1巻発売!  購入して応援してくれたらとても嬉しいです!  原作も2巻発売中!  各販売サイトは一部は下のリンクからどうぞ! 漫画 1巻 Amazon 楽天 原作 1巻 Amazon 楽天 紀伊國屋 2巻 Amazon 楽天 紀伊國屋
― 新着の感想 ―
これを見る限りいく先々で弟子を取っていくんだろうね 第◯弟子まで増えるやら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ