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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第二章落ちてきた二番弟子

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50話退治

ゲートを潜った黎人は武器を持って大森林を奥へ奥へと進んでいる。

そこで、ふとおかしな事に気付いた。

イギリスでの階級進化(バンプアップ)では、魔物は無限にゲートへと押し寄せ、それをAランク以上の冒険者がゲート前で堰き止めていた。

しかし、今回はレベッカや紫音が殲滅してから新しい魔物は現れていない。

ゲート前に数人待機している物の、手持ち無沙汰な状態であった。

そして、道中も魔物を見ていない。


ただ、階級進化したであろう魔物の威圧感だけが大きくなっていった。



大森林の最深部まで来ると、そこは森林の真ん中にポッカリと空いた荒野の様だった。



その中心に、階級進化した魔物がいた。

暴れる様はまるでのたうち回り、苦しんでいる様に見える。


「なんだ、あれ…」


黎人の口からそんな言葉が溢れた。


通常、階級進化は進化する魔物の特徴が強く残る。

黎人が戦ったイギリスの階級進化(SSS)はドラゴンの階級進化だった為、強くなれども、元となった魔物の特徴を有していた。


しかし、今回のこの魔物は元が何であったのか想像もつかない。

このダンジョンであれば熊のはずなのに。


人型で羽が生えている魔物と言うのは何体かいるが、けしてGクラスダンジョンに存在していい魔物では無い。


それに、皮膚が全てないかの様にグロテスクで筋肉は脈打ち、胸には、本来見えていないはずの魔石が縫い止められる様にして剥き出しになっている。

そして、これは黎人が知り得ない事だが、熊の魔物の3倍ほどの大きさまで膨れ上がっていた。


苦しそうに胸を掻きむしっていた魔物が、黎人を視界に入れた。


魔物は涎の滴る口で大きな叫び声を上げて黎人に飛びかかった。


黎人は冷静に魔法を2つ使って、その攻撃を受け止めた。


一つは剣に流した構造強化の魔法。

もう一つは足元に地盤強化の魔法。


受け止めた際に衝撃波で一帯の土がめくれ上がるが、黎人の足元だけは魔法により崩れたりせずにしっかりと黎人を支えていた。


黎人の手応え的にはイギリスの時と遜色なく、Gクラスダンジョンであっても階級進化した魔物はSSS(ランクオーバー)の強さであることが確認できた。


魔物を弾き返した後、次は黎人から攻撃を仕掛けようと剣を構えた。


いろんな魔法もあるが、黎人の1番得意な魔法は強化魔法。

ただただ己を、剣を、地面をあらゆる物を強化して、圧倒的なステータスと魔法によってあらゆる抵抗を自分に有利に、相手に不利に改竄する。


ファンタジーとは真逆の目に見えない圧倒的な物理。


黎人が踏み出した後、黎人の周りから音と景色が消えた。



そして、次に魔物が黎人の事を視認した時には魔物の体はズタズタに切り裂かれていた。


斬り飛ばされた四肢は地面に落ち、魔物は崩れながら倒れた。


しかし、切り飛ばしたと思っていた首は骨で止められ、魔石は全く傷がついていなかった。


魔物は半分繋がった首を持ち上げ、恨めしそうに黎人を見ると口を動かした後に、まるで光に当たった吸血鬼の様に砂になって崩れ去った。


残ったのは、傷がついていなかったはずなのに砕けた魔石だけだった。


黎人には、崩れる前の魔物の口の動きが「お前のせいだ」と動いた様に見えた。


「魔物が、喋った?」


いくつかの疑問を残しながらも、魔物を倒す事には成功した。

残った魔石を回収してゲートへと帰還する。

帰り道にはいつもの様に通常の魔物達が闊歩していた。






____んー。やっぱり魔石が耐えられませんでしたか。それも人を保てないなんて。失敗も失敗ですねぇ。

しかし、しかし、やはり彼は理想ですねぇ。

あの魔石も、少しは研究したいのでなんとかならないですかねぇ?ヤツに相談でもしましょうか?______



黎人の去った最深部でそんな話し声が響いた。






カクヨムにて100話ほど先読み掲載してます。

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― 新着の感想 ―
喋ってないっすね。口がその形に動いただけで。 揚げ足とは言わんでくださいよ?表現が違うだけとはいえ誤表現は違和感強いんで。 この場合は、魔物に知性が?とかの方がいいンじゃないですかね?
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