第310話 今後の話
黎人は、幸の父親の中原幸地と色々と話した結果、転職のサポートをする事になった。
勿論候補は冒険者ギルドや他の黎人が所有する会社だったりするのだが、その為にはまずは冒険者としてランクを上げなければならない。
その為に、黎人が幸地に冒険者のいろはを教える事にする。
まずは冒険者登録、仮免許の取得といきたい所だが、幸地にはまだ会社というしがらみがある。
その為、最短で会社を辞める為のプランを用意する。
弁護士などたててこれまでの残業代など争うことはできるが、今後関わってほしくないのが本音である。
なので、端金は勉強代として捨てる方向で話を進める。
勿論、請求はするが、払わないと言われれば争う事まではしないといった内容だ。
有休消化などの権利もまた然りである。
幸地の退職は、本人ではなく、黎人が退職代行を行う。
人に任せるのではなく黎人本人が向かう。
勿論、《明星の管理人》から詳しい者を補佐として連れて行くのだが、黎人が行くという事が重要であった。
面倒を見ると決めた黎人は、病院に確認をとり、幸地がゆっくりと休めるように近くのホテルを取ること、それから翌日にまた検査を受けにくる事を条件に、退院の許可をとる。
そして、そのホテルに幸。それから翠に頼んで幸の弟も連れてきてもらい、ホテルでゆっくり過ごすようにはからった。
ルームサービスもなんでも頼んでいいと言ったが、遠慮した様子だったので、幸に幸地の好きなものを聞いて適当に頼んで、家族でゆっくりしろと伝えて黎人はホテルを後にする。
「翠、明日は楓に幸地さんの仮免許発行のための勉強を見てもらうことはできるか?」
「分かりました、調整します。社長になってから後輩を育てていないので問題もないと思いますから。今は、仕事も終わらせてアンナちゃんと遊んでますし。 黎人さん、聞いて下さいよ、楓ったら、アンナちゃんと遊ぶのを予行練習って言ったんですよ! そりゃ、私もそろそろかななんて思ってますから、やぶさかではないんですが、こればっかりは天からの授かり物じゃないですか」
黎人の帰り道は、真面目な話もそこそこに、翠の惚気話が大半であった。
なにはともあれ、黎人は明日に、幸地の会社へ退職代行として向かう事になる。
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