第294話 いちゃもん?
アンナは登校の為に友里かや樹菜達との待ち合わせに向かっている。
もう慣れたもので、1人でも待ち合わせまで問題ないのだが、毎朝出かける時間が火蓮、紫音と同じな為、一緒に家を出ている。
「火蓮お姉ちゃん、紫音お姉ちゃんいってらっしゃーい」
アンナは友達と合流したので、火蓮と紫音の2人を手を振って見送った。
「わあ、アンナちゃん今日の髪かわいい!」
「紫音お姉ちゃんにやってもらったの」
今日のアンナは髪をバッチリセットしてもらっていた。
「わあ、綺麗な髪飾り」
「紫音お姉ちゃんのをつけてもらったの」
朝早起きしたアンナの髪を朝食ができるまでの間に紫音がセットしていたのだが、熱が入ってしまい、似合いそうなヘアアクセも着けていた。
「今日は体育ないもんね。私も髪括ってお気に入りのゴム着けてくればよかった」
女の子らしい会話をしながら、アンナ達は小学校へと登校した。
学校について、アンナは机の上にランドセルを置いて、持って来たものを机に移していると、3人組の女の子がアンナに声を掛けてきた。
「春風さん、ちょっといいかしら? いくら体育が「|あなた、最近調子に乗ってるんじゃないの?《ないといってもピンタイプのものは危ないですし____》」
アンナは、声を掛けてきた少女達の事を知らなかったので首を傾げた。
そもそも、最近と言われてもこの間転校してきたので話も脈絡が繋がらなっていない。
「惚けても無駄よ! 髪の毛を染めたりしちゃってさ、それにその髪型も、知ってるのよ、この間幸ちゃんと仲良く話していたの」
「そうよ! 幸ちゃんの事は輝羅ちゃんが一年生の時から好きなのよ。今日だって体育がないから輝羅ちゃんが可愛いヘアゴム着けてきたのに!」
「その髪飾り外しなさいよ。輝羅ちゃんが目立たないじゃない」
「え、そこまでは言ってませんわ。ただ、ヘアゴムならまだしもピンタイプは________」
取り巻き2人の言葉がヒートアップするのを真ん中の少女がオロオロとして「言い過ぎじゃないかしら」などと言っていると、朝早くに来て校庭で遊んでいたクラスメイトが戻ってきた。
「あれ、輝羅達じゃん! もうすぐ朝の会がはじまるぞ」
「さ、幸君!」
「おう、おはよう。お、アンナ今日はいつもと髪型違うじゃん! あ、でも着けてるやつは落としそうだから次からはやめとけよ? なんか高そうだし」
「そっか、分かった。気をつける」
「輝羅もいつも可愛いヘアゴム着けてるけどあれなら落とさないからな」
「かわいい!」
幸の話に輝羅は顔を赤くした。
「おう、かわいいのが付いたゴム着けてるだろ? あ、お前ら早く教室戻らないとチャイム鳴っちゃうぞ?」
輝羅達3人は、教室の時計を見ると慌てて自分の教室に戻っていく。
取り巻きの1人が「分かったら気をつけなさいよね」と言って去って行った。
「アイツらも楽しいやつだから仲良くしてやってくれよな」
幸は笑いながら自分の席に向かった。
「アンナちゃん、何かあったの?」
隣の席の友里が朝の日直の用事を終えて戻って来て質問してくる。
「うん。この髪飾りは落としたら大変だからゴムにした方がいいって教えてくれたの」
「そっか、そうだよね。かわいいのに残念だね」
話していると、担任の先生が教室に来て、朝の会が始まるのであった。
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