第270話 氷那の魔法
氷那が魔法を使えるようになって数ヶ月、氷那は色々とゲームなどを休みの日にやり漁った。
おかげで、今まで体験した事のなかったファンタジーの知識をたくさん仕入れた。
そのおかげで、氷那の魔法は驚く程に上達した。
ゲームの知識を吸収したおかげで、初めは氷柱を作り出すだけだった魔法も、今ではファンタジーのような魔法を扱うまでに至っている。
今日は休みの日であるが、氷那は1人でダンジョンにやって来た。
ひまわりと行動するときは魔法は控えめにしている。
自分の中で、まだ魔法の精度が100%だと思ってないので、一部の魔法を限定で使っているだけである。
その精度を上げて実用に足るものにする為に、黎人に許可をとってこうしてダンジョンに潜っている。
Dクラスダンジョンにある、最奥ではなく、魔物が大量に現れるエリアへとやって来た。
今は初めの頃の様に口に出す事なく、脳内で複雑なコードを思い浮かべて、魔法を試行する。
魔物がうようよと現れる中、氷那は魔法によって、氷の剣を2本手に作り出した。
それを使って、迫り来る魔物を次々と倒していく。
勿論、これはウォーミングアップである。
このままでは両手に武器を持っているのと変わらないので、次のステップに移る。
氷の剣を放り投げると空中に浮かせて、離れた場所の魔物を叩き切った。
そのままテンポ良く、2本の氷の剣を器用に空中に浮かせて操って、魔物を倒し、近づいてくる魔物は新しい剣を手元に生み出して倒していく。
その後、空中の氷の剣を一本、また一本と増やしていき、増える氷の剣に一本一本別々の指示を出して連携をさせて倒していく。
氷那は、ひまわりや永井とパーティを組む時も司令塔として指示を出している。
その才能をソロでの戦闘にも応用して、10本の氷の剣を空中に浮かせて操りながら、自分も2本の剣を持って戦うことができる。
魔物も少なくなってきたので、最後に氷の剣を自分の周りに集めて、持っていた剣も放り投げて浮かせると、自分が作れる最大量の氷の剣を作る。
その数72本
自在に操る分には10本が限界だが、精密な動きを求めなければこの数は動かせる。
氷那は気合いを入れると、魔物達の集まる方に、全ての氷の剣を撃ち出した。
方向を決めて撃ち出すだけなら動きも限界まで早くする事ができる。
高速で射出される剣は、速度の差にムラがあれど、ほぼ一斉に魔物の群れに向かって飛んでいった。
魔物を差し貫いて勢いの余った氷の剣が壁や地面に突き刺さり、ダンジョンのフロアが土煙に包まれる。
土煙が晴れた後に、残っている魔物は存在しなかった。
魔物を全滅させて、氷那は一息ついた。
今の自分にはこれが限界だろうと思う。
もっと魔石を吸収してステータスを上げて、演算能力を上げれば練度も上がっていくだろし、この位操る事ができれば、ひまわりとの連携に組み込んだ時にひまわりに間違って攻撃してしまうこともないだろう。
少ない本数から、ひまわりとの連携を相談して練習してみようと思う。
そんな事を考えながら、氷那はダンジョンを後にするのであった。
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