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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第七章公務員の弟子達

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第255話 監査1

ひまわりと氷那の2人は、本日職場からの呼び出しを受けていた。


呼び出された場所は同じビルの為、2人は駅で待ち合わせをして、電車で目的の場所まで向かっていた。


「もう半年になるんですね」


「そうだね、今までの人生の中で1番早い半年かもしれない」


「うん……」


今日の呼び出しは中間監査である。

半年間の成長を見られて、このプロジェクトの継続か否かと言う判断が下る。


勿論、基準に満たなければ、プロジェクトから外され、一般職務への移動となる。


2人は自分達はこの半年で今までにない程成長したと思っているが、監査に向かうのは緊張して口数は少なかった。


ビルに着くと、自衛隊と警察で招集された階が違う為、2人はエレベーターで別々のボタンを押した。


先に降りるのは氷那であった。


エレベーターから降りた氷那は振り向いてひまわりを見た。


「私達のバディはこれで終わりじゃないから、またね」


「うん」


ひまわりが頷くのと同時にエレベーターは閉まり、ひまわりが呼び出された階へと向かう。


ひまわりが指定された部屋へ入ると、自分と同じ選出された士官候補生達が椅子に座っていた。


みんな緊張しているのか会話は無く、部屋はしんとしていた。


席の並び順は指定されていないが、他の士官候補生達が並ぶ順番は、苗字の五十音順であった。


ひまわりは自分の順番の席に向かう途中に永井と目が合ったが、話すような雰囲気ではなかった為、そのまま席に向い、時間が来るのを待った。



別の部屋では氷那も同じように座っていた。


ひまわり達警察側は知る由もない事だが、自衛隊側が先に監査が始まり、順番に別室に呼ばれて面談が始まった。


氷那が別室に呼ばれると、その部屋には自衛隊の監査官であろう軍服の男性、坂井の2人がいた。


「では小柳津二等陸曹、座りなさい」


「は!」


氷那は指示に従って2人の対面に用意された椅子に座った。


「では小柳津二等陸曹、私達からは一つだけ質問をしよう。これまで、貴官の指導過程は委託指導教官から報告を受けている。それを踏まえた上で質問する、貴官は今後も毒島警部補とのバディを望むか? それとも指揮官として隊を率いる事を望むか?」


監査官から提示されたのは今後の進路であった。


これは次のステップへ進むのなら隊を率いる選択をしろと言う事なのだろう。


しかし、氷那は姉弟子達との経験を経て、今のままでは何かあった時に日本を守れないと言った事を痛感した。


もし、海外からの侵略を受けた時、日本と違い冒険者も徴兵される外国の軍には、今の士官候補生が自分と同程度のステータスであり、それを率いる事になったとしても、それは無謀であろう。


姉弟子達の様な冒険者が敵国にいれば、それだけで国を守る自衛隊は陥落するだろう。


国を守る為には、姉弟子達の様な人間が必要だと思う。


そして、その時になれば、自衛隊だけでは無く、警察との連携も必要になってくるだろう。


だとすれば、自分のステータスが多少上がった程度の作戦立案能力でステータスの上がっていない一般的な自衛官を率いる訓練などなんの意味も持たない。


ひまわりと共に姉弟子達の様に成長する方が、日本の未来の為になると思えた。


たとえ、士官候補生から外れようとも、将来の為には、まだまだ師匠に指導してもらう方が成長できる。


「私は、日本の未来の為には毒島警部補と共に成長していく方が有用だと考えます」


「かー、硬い、硬いで態度が! まあそれが君のええ所なんやろうけどな」


氷那の回答に口を挟んだのは坂井であった。


「まあええわ。本日を以て、小柳津二等陸曹の士官候補生としての任を解き____」


氷那は坂井の口から出た言葉に目を見開くのであった。




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