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163話放送事故

マーベラス、オカケンのFクラスダンジョン配信は順調にすすんでいた。


定期的に現れるゴブリンを倒して、いつもの配信よりも難しいダンジョンを探索している雰囲気を出しながら、視聴者から応募したミッションをこなしていく。


エンターテイメントとしてはそれなりに面白く、リアルタイムで見て会える視聴者ばどんどんと増えていき、コメントを読んでもらおうと投げ銭の数もどんどん増えてく。


まさに目論見通り。

オカケンの2人もゴブリンを倒している事で、前回の逃走した時よりもレベルアップした雰囲気が出て、リベンジの成功だとコメント欄は盛り上がっている。


勿論マイナスなアンチコメントも多々あるが、コメントが流れるのが早すぎて気にならなかった。


急上昇チャートにも掲り、視聴者数はどんどん増え、今、BTube配信で1番見られている配信となっていた。



「それじゃ、今回のゴブリンも倒し終わったし、次のミッションに行こうと、思うぜ!」


「最後のミッションだから中々難しいのを選んだつもりだ!さて、最後のミッションは…」


「ダンジョンで、美人冒険者をナンパしてみた!」


オカケンとクウタンがタイトルを発表したすると、コメントの流れるスピードが加速した。


「別に美人じゃなくても良いじゃん。美人はお前らの好みだろ!」


レンナの言葉に、女性の視聴者のコメントも多く見られた。


「まあまあ、それじゃ早速、冒険者を探してお話を聞いてみよう!」


「インタビュー形式のナンパとかウザイ」


レンナが茶々を入れながらも、冒険者を探して移動し始めた。


その後、コメント欄はバカにするコメントが多くなった。


何故なら、冒険者に声を掛けるも、断られて話さえも聞いてもらえない状況が続いたからだ。


「お前ら、見とけよ!次だ!次こそはバッチリ話聞いてやるからな!」


ケンケンはコメントに少しイライラしている様だった。

ケンケンばかりが話すとそのうち暴言を言ってしまいそうなので、岡本が被せる様に茶々を入れる。


「やっぱり冒険者達はBTubeに厳しいねー!

でも次こそは、成功させましょうね、クウタンさん」


「何度目の正直か分からないが、次こそミッション達成してやろうぜ!」


ちゃんとした冒険者達はダンジョンで配信などと言う事に参加するリスクを犯したりしない。


まだロビーでインタビューする分には答えてくれるかも知れないが、ダンジョン内では相当このダンジョンに実力差があるなどの理由がない限り無理だろう。


冒険者マネジメント会社所属であれば、指導者がピシャリと断るのは当たり前のことだ。



「お、ちょうど次の冒険者を発見したぜ!」


「次は女性3人組だ。ダンジョンで女性3人は危ないかも知れない!上手くエスコートできれば、ありえるぞ!」


「私ならアンタじゃ嫌だわ」


調子を上げようとした岡本の出鼻をレンナが挫いた。


「まあ、今度こそ成功目指して、いってみよー!」


オカケン、マーベラスは3人の女性冒険者にこえをかける。


「すいません、少しインタビューいいですか?」


岡本の言葉に女性冒険者達が反応してこっちを向いた。


「ん、アンタ達…」


「何、香織知り合い?」


冒険者達が反応を返してくれた事に岡本は気を良くした。

それに、冒険者は自分達やマーベラスの事を知っているそぶりである。


「お、俺たちの事知ってんのか?」


ケンケンも気を良くして質問している。

冒険者の中にもBTubeを見ている人はいるんだと次の質問をしようとした時だった。


「アンタらは知らないけどそっちの3人」


「なんだ、俺らのファンか?じゃあ質問してもいいかな?」


「あ、覚えてないんだ。私以外にも沢山したって自慢げに言ってたもんね。

私、コイツらにレイプされそうになったから」


オカケンの3人はポカンと固まってしまった。


「テント!カメラを切れ!」


「お、おう」


急な出来事にカメラを弄ろうとするが、カメラがダンジョンで壊れない様に特殊なカバーに入れてある為にカバーを外すまで画面をそらせても後は拾ってしまう。

高性能な物だけにバッチリと。


「香織、どう言う事?」


「数年前、私がダンジョンも知らない一般人だった時に家計の足しにしようとダンジョンに行ったら教えてやるって誘われてね。

私もバカだったわ。女の人がいるからって安心しちゃってさ。


ダンジョンの奥くらいでレイプされそうになったのよ。


あの時はダンジョンに異変が起こって私を置いてこの人達だけ逃げ出したから私は未遂になったけど、過去にいっぱいしたって言ってたし、バカな女が居るから儲かるってカメラ回してたから他の被害者の映像とかあるんじゃない?」


「黙れ!おい、テント早くしろ!」


「焦らせんなよ!」


「おい、サトシもカメラ切りやがれ!」


「え?」


クウタンの叫ぶ声にサトシはビックリしてクウタンの方を向いた。

何も考えてなかったからか、カメラも一緒にクウタンの方を向く。


「あの香織がひどい傷を負った事件!コイツらが置き去りにしたの?」


「あれから大変だったから被害届とか考えなかったけど普通に出した方がいいわよね。

でも他の人がだしてる?」


「他の人達、被害にあってからダンジョンに置き去りにされたら生きてないんじゃない?

仮免ができる前のダンジョンって監視システムも無かったじゃん。

香織は助けてもらったから助かったけど」


「黙れって言ってんだろ!おい、レンナ!」


「あ、うん」


クウタンの合図でレンナとクウタンが黙らせようと女性冒険者に飛びかかるが、ステータスの差がどれだけあるのか簡単に取り押さえられてしまった。


コメント欄は不測の出来事に大荒れ。

すごいスピードでコメントが書き込まれていく。


クウタンやレンナを取り押さえてこの話は終わりかと思われたその時、叫び声が上がった。


「うわぁぁぁぁあああ!」


誰の声か。サトシの声だった。


全員が反応してサトシの方に顔を向けると、サトシは地面に這いつくばりカメラを持っていた手が無くなってそこから溢れる血を必死に抑えていた。


その側に立っていたのはゴブリンではない化け物。

人型の、黒い鎧の様な歪な物で覆われた魔物だった。

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