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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第五章カメラを持った六番弟子

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162話配信開始

なんで、こんな所にいるのだろう?


私は、炊き出しを手伝いたいと思って歩いていたはずだった。


ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになっただだっ広い空間。


私は、意識だけはあるのに体を自由に動かす事はできず、金縛りでは無いのだが勝手に体が動く不思議な感覚だった。


次の瞬間、私は目の前に現れた化け物に恐怖で叫び声を上げようとしたが、声は上げられなかった、


彼女は知らぬ事だが、現れたのはゴブリンと言う魔物だった。


え?


彼女の体は逃げる事なく勝手に動き、化け物を攻撃した。


それも殴る様な攻撃ではなく、爪で引っ掻く様な。


するとゴブリンは肩から斜めに切り裂かれ、血を吹き出しながら絶命した。


体が自然と動いて自分の喉を通って出たとは思えない雄叫びをあげた。


絶命したゴブリンから何かを取り出し、それをそのまま、口に入れた。


耳に直接骨を通してゴリゴリとしたまるで氷を食べるような音が響く。


そして体は移動を開始する。

何となく分かる。この体は次の獲物を探しに行くのだと。


そして、次に見つけたのは人間だった。


前職でよく見た見た目、冒険者。


まさかと思ったが、体が勝手に動いて冒険者に向かう。


嫌だ、誰か止めて!


私は勝手に動くこの体が恐ろしく、せめて冒険者に気づいてもらおうと叫ぶものの、その声は誰にも届く事は無かった。


___________________________________________


下準備も入念にして、いよいよコラボ配信の日となった。


冒険者ギルドで待ち合わせをしてダンジョンへと入る。


予告をしていた訳だが、ロビーで声をかけられたりと言う事は無かった。


Gクラスダンジョンで撮影をしていた頃はファンに声をかけられたり、出待ちをされた事もある。


しかし、Fクラスダンジョンに来てからはそう言った事は無くなった。


マーベラスやオカケンの人気が無くなったと言う訳ではなく、視聴者層の違いから来るものだ。


BTubeの視聴者は冒険者に憧れる学生がメインだ。


冒険者の視聴者はいないと言っていいだろう。


冒険者ならば、配信を見なくてもリアルに探索が出来るし、憧れるなら、冒険者マネジメント会社の先輩や広告塔になるだろう。


ダンジョン配信など、所詮子供の遊びだと思っているし、もし見たとしてもクオリティの低い探索風景に途中で見るのを止めてしまうだろう。


勿論Fクラスダンジョンの冒険者ギルドが冒険者以外が立ち入り禁止かと言えばそうでは無いのだが、冒険者に憧れる学生にとっては入るのに勇気のいる場所の様だ。


何はともあれ特に問題もなく、オカケンとマーベラスのメンバーは更衣室で準備を整え、ダンジョンへと繰り出した。



ダンジョンの入り口付近で、カメラチェックをして、ついに日本、いや、世界初のFクラスダンジョンの配信が開始された。



「今日も新しい驚きを与えるBTuber、クウタン」


「レンナ」


「テント」


「「「マーベラス!」」」


「どうも!新進気鋭のBTuberオカケンの岡本と」


「はーい!ケンケンだぜ!」


マーベラスとオカケンは挨拶をして配信を開始した。


「みんな、今日は予告していたコラボだ!

批判があるのは分かるぜ。でも、それはこれからの配信で驚きに変わる。そうだろ?」


「俺達はこの前の敗走で叩かれちゃってますからね。でも、今回はマーベラスさん達とのコラボ。しかも準備はバッチリだ!ランクが高くなっても、ミッションこなしながら成功させてやるぜ!」


今回の配信はFクラスダンジョンの入り口付近のみ。

人型の魔物であるゴブリンが出るだけでGクラスダンジョンの中盤と同じくらいの難易度。


Gクラスダンジョンの中盤は何回も配信してきたし、リハーサルでこの辺りの魔物の強さは把握している。


視聴者はGクラスからFクラスにランクに上がったから難易度も上がると思っているが、実は上がっていない。

だから成功は目に見えているのだ。


「さて、今回視聴者から募集したミッションは3つ。勿論いきなり最奥に行けとか、冒険者に攻撃しろとか、現実的じゃ無いものは省いてあるぜぇ!」


「さあ、どんなのが選ばれたかまずは見てみよう!お、ぽんたさん投げ銭ありがとう!」


クウタンとオカケンが主だって司会進行をしていく。


マーベラス、オカケンの目論見通り、配信視聴者数人はどんどんと伸びていくのだった。




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もう「失敗する未来」しか見えない(;^ω^)
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