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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第五章カメラを持った六番弟子

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155話先輩

最近のオカケンは減ってしまった登録者を取り戻す為に、またコラボをしようと他の配信者にDMを送ったりしていたのだが、良い返事は貰えないでいた。


理由は分かりきっている。

アリスコラボの時にできたアンチ掲示板が原因である。

自分達とコラボする事で巻き込まれて自分に飛び火する事を嫌っての事だろう。


今日もまた、お断りのDMが届いた。


「なあー。コラボするならやっぱ女にしようぜー」


「そんな事言ってる場合じゃないだろ?」


「でもモテる為にやってんだしさ」


「あ、お前、今はファンに手出すなよ?」


「俺らのファンって中高生多いじゃん。流石にその辺りはわきまえてるって」


「この前のアリスは高校生だろうがよ。信用できねー」


岡本の注意もケンケンは笑って話を流した。

今までファンに手を出した話は聞かない為、とりあえずは信用する事にして岡本はため息を吐いた。


実際の所、登録者は減っているし、アンチコメントが以前より湧きやすくなったものの、古参のコアなファンも多く居るもので、『実力が無いのにコラボするアリスが悪いんじゃね?』『あれは逃げて正解、人を助けて自分が死んだらシャレにならん』『足手まといつれてよく頑張った』など応援のコメントも多い。


あのコラボの後に上げた動画の伸びもそこそこで、登録者が減った影響もそこまで多いわけじゃない。


しかし、あの配信と登録者が減った事がSNSで取り上げられたせいで登録もしてなければ配信も見てない様な奴らが騒いで叩きやがる。

騒ぎが大きくなれば、ネットニュースはそのネタを使いまわしてきやがる。

それどころか何気ない俺たちのSNS上の呟きさえネタにする奴らがいる。


だから、そのネタを塗り潰す様に登録者をV字回復させてやる為の起爆剤が必要だった。


そこに、先輩のBTuberからDMが届いた。

過去に仲良くしてくれてたBTuberの中には、こうやって連絡をくれる人も沢山いる。


『大変そうだな。デカいコラボ企画しようと思うんだけど参加しないか?

参加条件は冒険者免許の取得。Fクラスダンジョンの入り口はGクラスと変わらない位の強さなのに人型の魔物が出るそうなんだよ。

タイトルにFクラスって入れれば今までよりレベルが上がった感じがしてインパクトあるだろ?

それに、Gクラス最奥に失敗した汚名返上にはもってこいじゃないか?』


この先輩は一緒に飲んだ事もある先輩達だ。


俺達と同じタレント2カメラ1の3人組BTuberで、タレントが男女のコンビで登録者も俺達の3倍はいる人気BTuberだ。

女性のレンナさんはそばかすが目立って決して可愛い訳じゃないけど、サバサバしてクウタンさんやカメラのテントさんに毒舌なキャラで人気だ。


DMを送って来てくれたのはクウタンさんだけど、前に飲みに連れてってもらった時は昔はヤンチャもしたけど人気になった今じゃできないなと笑っていた。

ケンケンにも見習ってほしいところだ。


クウタンさん達はBTuberを人気にした火付け役で、配信を始める前から小遣い稼ぎにダンジョン探索をしていたらしい。

なので、配信にも安定感があって参考にしている所も多い。


そのクウタンさんがコラボに誘ってくれた。

俺達が5万人に成長したのもクウタンさんと初コラボした時から伸び始めたのだ。


これはチャンスだ。


冒険者免許自体は以前より難しくなったと聞くが、頑張って勉強すれば取れない事はない。

筆記の方が重要視される様になっただけだ。


岡本は、このチャンスを逃すまいと、クウタンからのDMに参加の意思を伝える返信を返した。

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