はじまり
「ここ、どこ」
気づいたら、目の前に鉄格子が広がっていたおり、檻の中に自分がいることがわかった、
しかも体が小さくなっており、どう考えても大人の体ではない。
おかしい・・・
大学の講義を終えて、激安オンボロのアパートに帰っていたはずだ。
思い出さそうとしても、それ以上思い出せない。
あたりを確認するが、この部屋には自分以外はだれもいない。
「誰かいませんか!」
何度声を上げても返事がない。
今、自分がどのような状態にいるのかパニックになり
何度も声を上げると、ドンと音と共に部屋の扉が開いた。
「静かしろ!!!」
スキンヘッドの男が現れ、近づいてくる。
「競りの順番が回ってきたぞ、腕を出せ」
やっと現れた人に、気分が上がる。
「ここはどこなんですか?」
男に質問するが、無視され腕を出すように再度要求される。
鉄格子の隙間から腕を差し出すと、スキンヘッドの男は手錠を取り出して僕の腕にはめて、僕の入っている鉄格子のカギを開ける。
「出ろ」
男は有無を言わさず、僕の手を引っ張って部屋の外に出した。
部屋を出ると長い廊下を歩いていき突き当りの部屋の前で止まる。
「どこに行くんで (ギィー)」
質問しようとすると目の前の扉が開き、スキンヘッドの男に手を引っ張られて中に部屋の中に入れられる。
入れられた部屋の中は明るく、人の話し声があたりから聞こえる。
部屋の中央まで来ると、スキンヘッドの男と入れ替わるように長髪の女が横に来て、
「本日4番目の商品は、借金の方として売られた3歳の少年です。
まだ子供のため、労働力は期待できませんが子供ということでいろんなことを吸収し、
長期的にみれば自分好みの従者に、戦士に変化します。」
なにを言っているか理解できないが、自分が置かれた状況がよくないことがわかった。
「では、初値は10000Gからとなります」
女がそう言いと、数人から手が挙がる。
「20000G」、
「30000G」、
「35000G」
これ、オークションだ。
今の状況に理解がやっと追いつき、自分が商品として売りに出されているとわかる。
値が徐々に上がっていくなか、
「200000G」
いきなり値を吊り上げる声が上がる。
それ以降、手を挙げる人がでず、
「他におられませんか?」
女が周囲を確認して、
「では、200000Gで落札です」
その声と共にスキンヘッドの男が再度現れて、部屋の外まで連れていかれた。
新しい人生の扉が開いた。