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久々の出会い。
「はぁ」
俺のため息が住宅街に吸い込まれていく。部活帰りひとり悲しく帰る。
俺は、テニス部だが上手くはない。むしろ下手くそだ。
中学二年生は、カッコつけたい年頃だ。俺だってテニスでちやほやされたい彼女も…欲しい。
でも友達がいない。あの小学校までの楽しい日々はどこかへ消えていってしまったのかもしれない。
「わかる?私のこと!私だよ私!」
後ろからどこか聞いたことのある声が聞こえた。
ふと、後ろを振り返ると。
「亮だよね?」
ぼくは驚きもしなかった。むしろ会いたかった。
ぼくの初恋の相手に。