詩 王国都市は振り向かない
――たくさんの都市たちは決断を下した
―― 一人の幸せより、大勢の未来を得ると
王国都市は振り向かない
間違えていても振り向かない
血だまりの上に立っていても
亡者の上に立っていても
犠牲の塔が建ってしまっても
罪業の塔が建ってしまっても
罰の都市と烙印を受けても
罪人の都市と烙印を受けても
王国都市は振り向かない
いつまでも進み続ける
どこまでも進み続ける
―― 一つの都市は決断を下した
――たくさんの正義よりも、一人の未来を得ると
「ストーリー」
都市の上には、様々な王国が築かれていた。
絶えず移動し続ける世界線路の上を、今日も都市たちが移動する。
けれど、その中にとある都市の姿はない。
犠牲を許容できなかった、優しすぎる王国都市の姿はない。