第 一 回
「助けてくれ完全ヤバいぞ」
俺は大急ぎで逃げていた。中学二年生の大木那急太。俺は【ろくろっ首】に追かけられていた。
ろくろっ首ってなんで、あんなに怖いんだろう。実際にいてしまっているというのが、すごく怖いんだろうけど、それ以外の理由って何だ?
追かけてくるのはうちの中学の数学教師で、真司田兼芽子。
深夜、追試の予習・確認のプリントがあるのを思い出して、学校へ取りに行った。すると、教室の暗がりに先生がいた。
「追試の予習・確認のプリントに『マジナイ』をかけといたの。初めてだけど上手くいったので良かったわ」
「兼芽子、どこでそんなこと覚えたんだ…?」
俺は恐怖に、打ち勝つため頑張って軽口を叩く。やっぱ怖い…しかも、下手に刺激しない方がいいという可能性、すらある。
「先生はね妖怪なの。…イヤ、妖怪の力を持った人間がたまたま教師という職業に、就いたってだけ、かしら。妖力を『エンジン』に、妖怪の脳みそを使ってどうすれば、深夜に来たくなってしまうのかをまるで香水をかけるように祈ったの。妖力って、結構、魔法のアイテム的な部分があるのよね」
俺は三回連続で赤点を取った。
続く