ダンジョン最下層~そこで見たものとは?~
私こと、奈月はダンジョンの最深部に来ていた。
ただ今、私は床で転がっている。いわゆる床ペロってやつです。
別に寝たいわけじゃないですよ?こんなダンジョンの最深部で。
ここに来るいきさつを説明しようと思う。
――30分前――
今私はパーティに入れてもらっている。メンバーはこんな感じ。
パーティ名(初心者姫とゆかいな仲間たち)
ブラックスミスの【みやこ】
アサシンの【シロン・コーリエ】
ハンターの【+ろらん+】
騎士の【ジョセフィーナ】
プリーストの【りゅっち】
ウィザードの【ヘブンスレイ】
剣士の【奈月=葵】
りゅっちが全員に支援スキルを使っている。
今回私にかけてもらった支援スキルは、以下の通りだ。
・速度増加
移動速度およびAgiが一定時間上昇する。
移動速度も上がるし、攻撃速度、回避も上がるんですよ。
・ブレッシング
Str,Int,Dexがそれぞれ一定時間上昇する。
攻撃力と命中率増加するんだけど、今のところ魔法攻撃力は関係ないかな。
・マグニフィカート
SP自然回復の速度が2倍になる。
移動してても、SPが座ってるとき並みにあがる。
もちろん座ってるとさらに回復速度は上がる。
・キリエエレイソン
物理攻撃が一定量無効になる。大体MAXHPの30%程度のシールド。
つまりは、30%多い状態になるわけ。
・イムポシティオマヌス
対象キャラの武器の攻撃力が増加する。
与えるダメージが増えちゃう。いいねこれ。
・アスペルシオ
一定時間武器に聖属性が付与される。
ここのダンジョンの敵は、アンデット系と闇が多いからダメージ上乗せされる。
ただ、何か消費アイテム使う。
他の人は、速度増加、ブレッシング、マグニフィカートだけのようだ。
「至れり尽くせりで、うれしいです!」といったら、りゅっちさんは「奈月さんは、この先支援万全にしておかないと、死んじゃうからね」だそうだ。
(たしかに、この中で一番弱いからすごくありがたいねっ)
そして、そのまま一行は洞窟の奥へ進んで行く。
なお、道中のモンスターは先頭を歩いているシロン・コーリエさん、ジョセフィーナさん、みやこさんによって倒されていた。
――地下洞窟2F――
ここは分かれ道はおおいけど、変な間違い方をしなければ、繋がる所は一緒らしい。
ここだとモンスターが変化している。
1Fに居た蝙蝠が赤い色になってる。試しに切り付けてみるとした。
「バッシュ!」
重い一撃は当たる、しかし、反撃してくる。
一回に50前後食らう、しかも、なかなか回避できない!
的確に攻撃を打ってくる。
りゅっちさんからヒールが飛んでくる。2000近く回復する。と言っても私、最大HP400以下だけどね。
何とか倒すことができた。
(おお、経験値がめっさ旨い!さすが、苦労するだけあるよねっ)
他にも、ノンアクティブだけど鬼小僧みたいなのと、黄色い卵に口があるようなのとか、緑色のまるがおゼリーみたいなスライムと、そして狸がいる。色々目白押しだった。
それよりもヘブンスレイさんの大魔法が凄い。
ノンアクティブとはいえ固まっているモンスターを発見すると、大魔法の詠唱を始める。
「ストームガスト!」
ヘブンスレイがスキルを唱える。
周り一体吹雪を起こしたような魔法が展開される。
倒しきれなかったモンスターは凍結してた。
「ユピテルサンダー」
次の瞬間スキルを使っていた。電気球体が敵に向かって高速で発射される。ヘブンスレイさんの追撃が決まった。
「すごいまほうですね!」
ヘブンスレイさんに話しかけてた。
「これは楽しいよ!快感だね!」
そう嬉しそうに言ってた。
確かに、はまりそうだ。
これといった危険なモンスターが居ないまま次の階層へ向かう。
――地下洞窟3F――
この階層はさっきの2階層によく似ていた。長い通路を越えたら2つに道が分かれていた。
「この道はね、どっちから言っても同じところに出るから、どっちから行ってもいいんだよ」
みやこさんはそういってた。
「モンスター湧きを散らすため比較的危険な上に私は行くから、奈月さんは右方向に行ってね」
ジョセフィーナさんは、ちょっとした提案を出していた。
「俺様も上に行くぜ」
シロン・コーリエさんも言ってた。
「じゃあ俺もついてくわ」
+ろらん+さんもそう言ってた。
りゅっちさんが3人に支援を万全にかけた後、3人はまっすぐ突き進んでいった。
(そういえば、守るってどこ行ったんだろうか? まあいいかっ)
私は、りゅっちさん、ヘブンスレイさん、みやこさんの4人で右のルートを進んで行く。
「奈月さん、その子スタン攻撃してくるから気を付けて!」
みやこさんは言うが、手遅れだった。
青いキョンシーから、きつい一撃を食らう。
ピヨピヨピヨピヨ。
すかざず、りゅっちさんが【リカバリー】のスキルをかけてくれる。
・リカバリー
凍結、石化、スタンなどの深刻な異常状態をすべて回復できるスキル。
スタンは即座に直り、私もスキルを放つ!
「バッシュ!バッシュ!」
なかなか強い。数発スキルを放てば倒せるが、通常攻撃だと数十発ぐらい入れないと倒せない!
しかも攻撃も痛い!
(りゅっちさんのヒールが無かったら、これ死んでたかもしれないね)
他にも赤いキョンシーが居たけど、こちらのほうが比較的弱めだった。
ただ、この赤いほうもスタンにしてくる。
ピヨピヨピヨピヨ。
低レベルだと結構きついね、ここ。
「援護してくれる皆さんに感謝です!」
そうパーティチャットで発言する。
――そう、2Fにあがった時にパーティチャットの仕方を教えてもらってた。
オープンチャットだと離れすぎると聞こえないけど、パーティチャットなら安心だ。
「俺様のおかげだな」
「あんた、なんもしてないでしょ!」
シロン・コーリエさんの発言にジョセフィーナさんが突っ込む。
「なんもしてないとは心外だな、ジョセフィーナこそ10匹もトレインしてくんじゃねぇよ!」
シロン・コーリエさんの発言に
「だって倒すの面倒だったからそのまま進んでたんだもん」
ジョセフィーナさんが言い返す。
「だからってこっちに擦り付けようとしないでください!」
+ろらん+さんが抗議していた。
(あの3人、見てないところで何してるんだろ?)
しかし、奈月は会話のやり取りを見てるだけで楽しかった。
無事合流して7人は次の階層に向かう。
――地下洞窟4F――
ここはとにかく、だだっ広い空間が広がっていた。
左上、右上、左下、右下の大部屋四つと、現在いる中心の小部屋の5つだった。
火の玉モンスターが近づいてくる。
「バッシュ!」
しかし、ダメージは30程度。硬い!硬すぎる!
そのあと火の玉モンスターの攻撃が来る!
(ぐはぁ、一発400ぐらい持っていかれる!痛すぎる)
すかさずりゅっちさんから、ヒールとキリエエレイソンがかかる。
「メマーナイト!」
そして、みやこさんがタゲを取り、スキルを使った。
「ストームガスト!」
火の玉モンスターは数匹いたがヘブンスレイさんがスキルを使って壊滅していく。
「ありがとうございます!」
皆さんにお礼を言う。
「いえいえ、ここからきついから気を引き締めていこうね」
そうりゅっちさんは言う。
ちなみに奈月はここに来るまでにそこそこレベルが上がっていた。
最大HPは543まで上がっていた。
火の玉モンスターだけ気を付ければあとは問題なかった。
着物を着た女性型モンスターはノンアクティブだから問題なかったけど、殴ってる途中に自決する。
経験値が入らない。今は倒せない。
「ちょっと収集品集めてから行くから、先行ってて」
5Fへ向かおうとすると、+ろらん+さんが言うのだった。
(そういえば、だれか収集品取りに来るって言ってたっけ)
+ろらん+さんを残し、残り6人で次の階層を向かう。
――地下洞窟5F(最下層)――
5Fへ足を踏みしめたら、周りに誰もいなかった。
簡易マップで確認すると四方に散らばっていた。
(うへぇ、ここにきてランダムワープ、私一人じゃん)
「奈月ちゃん、そこ動かないでね、迎えに行く」
シロン・コーリエさんの発言の後に
「僕もそっち行くから待っててね」
りゅっちさんから返答くる。
「わかりました!待ってますね!」
奈月はそう答える。
――チリンチリンチリンチリン
(何?何の音?鈴の音?)
――チリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリン
鈴の音は近づいてくる。
(お、黄色いきつね耳の幼女だ!かわいい~)
そのきつね耳型の黄色のモンスターは狐数匹引き連れて近づいてくる。
(ゴフっ!桁違いのダメージを食らった)
ダメージ表示は3200となっていた。
――――こうして、私奈月はそう、床で転がっているであった。
【ステータス】
名前:奈月=葵 職業:ソードマン
最大HP581
最大SP 82
BaseLV 32 JobLV 20
STR 21+2
AGI 30+0
VIT 1+1
INT 11+0
DEX 27+1
LUK 1+0
残りステータスポイント 2
ATK 27+121
Matk 17+21
DEF 23+137
Mdef 25+0
HIT 235
ASPD 158
FREE 162
【装備】
武器:+7環頭太刀
鎧 :アーマー
盾 :シールド
頭 :ヘルム
肩 :マント
靴 :ブーツ
アクセサリー1:
アクセサリー2:
【スキル】
バッシュLv5
マグナムブレイクLv1
プロボックLv5
インデュアLv1
HP回復力向上Lv3
剣修練Lv3