悪役令嬢と101人のヒロイン
「そうそう、ジーネ君。聞いたかい? 今度の新入生は、平民の子がいるそうだよ」
貴族の子息子女が通う学園のテラスで、男装をした友人が来年度の話題を切り出した。
女である私を君付けで呼ぶほど、性差の捉え方が曖昧な友人だ。
「そう……。それは珍しいことですわね、ラレィさん」
私は紅茶の香りを楽しみつつ、友人ラレィの出した話題にそっけない返事をしてみせた。
「なにやら事情があるらしいけど……、後輩にそんな子が入るなんて、今から楽しみだ」
「そうですわね。きっと今まで経験できなかったことが、できるかもしれませんわ」
凛々しい友人に、涼しい顔で会話を合わせる。
だが、私の内心は穏やかでなかった。
――ついにいらっしゃいましたわね、ヒロイン。
確固とした対抗心と僅かな不安が、私の中に吹き荒れる。
私は転生者だ。
地球での記憶を持ちながら、伯爵令嬢である『ジーネ・D・カルクオフ』へと生まれ変わった存在である。
この世界は、とあるゲームとほぼ同質だ。男性と恋愛を疑似的に楽しむゲームで、乙女ゲームとか女性向け恋愛ゲームと呼ばれるものだ。
かつての私はこの乙女ゲーをやり込み、そしてこの乙女ゲー世界に転生し、現在はヒロインに立ちふさがる悪役どころの令嬢である。
確かに世界は彼女の味方だ。
しかし、私には原作知識と元キャラには無かったこのとっても聡明な頭脳、そしてヒロインの一年先輩という優位性がある。
私が…………いや、このゲーム本来の悪役令嬢が、ヒロインに太刀打ちできない理由は、ほとんどのところ友人の少なさにあった。
実家は貴族としても、所属派閥としても、数と質は共に申し分ないのだが、私個人として学園内に友人がいない。
ゲーム本来のジーネは立ち回りに失敗し、学園内で孤立し、そしてそれが実家へ影響してしまうなど、そのように描写されていた。
転生者である私は、これを知っていたので、まずこの一年間を友人作りに費やした。
その友人の一人――。
「今日の紅茶も、また格別だねぇ」
私の取り寄せた紅茶を楽しむ男子の制服を着る倒錯的な女子生徒。
この男装の麗人ラレィ・ボーデンは、件のゲーム内で重要な役割を担っている。
情報に敏く、警告や助言キャラとして配されており、彼女を味方につけている時点で、かなりのアドバンテージが約束されているはずだ。
そんな彼女がカップを置いて、私に流し目を送ってくる。
「そしてなにより、今日も君の髪を飾る花、とても似合っているよ。もちろん、その花は君の美しさをより引き立たせるだけだがね」
「あら、そう? ありがとう」
さらっと口説いてくる男装のラレィ。
彼女はソッチなので、正直言って身の危険がある。
だが味方につける価値もある。
………………そういえば、ヒロインがラレィが恋仲になるとゲームオーバーだったような?
ええっと、まあ、いいわ。
とにかく私は本気で狙われてはいないでしょう。たぶん……。
ゲームオーバーなのは、ヒロインのことなので私は関係ない。はず…………。
いざとなれば、彼女にヒロインを堕とさせてしまいましょう。貴重な相打ち要員です!
ふふっ。友人を使って相打ち狙いなんて、悪役令嬢ですわねぇ、私。
……あれ?
相打ちってこういう意味でしたかしら?
などと考えていたら、頬杖をついたラレィが私を熱く見つめてきた。
「いずれ花も消え失せ、君しか見えなくなる……」
え、なにそれ?
目が悪いの、ラレイ?
「え、ええ」
――私、大丈夫よね?
ラレィに見つめられ、カップを持つ手が震える。
「そうそう、こんな時に君以外の話をするなんて失礼かもしれないが……、来年度の入学生は異例らしいね」
キマシタワ!
やはり原作ヒロインの入学は決定のようね!
話題も変わって、一安心!
ふっふっふっ……。
いよいよ、本編が始まりますわっ!
「ほぅ。ジーネも興味があるようだね? とにかく来年度の学園は大変になりそうだ。何しろ平民の新入生……」
準備は万端だ。総勢20名による友情パワーで返り討ちにしてくれるわ、はっはっはっ!
ヒロインに勝利する姿を夢想しつつ、紅茶のカップを傾ける私に、ラレィが衝撃の一言を放った。
「その人数、なんと101人」
「数の暴力!?」
予想外の数に、紅茶をアッサムッ! と吹き出す。
複数人でも驚くのに、まさかの3桁!
20人のお友達を作るのに、こちらは必死な思いで苦労したというのに……。
時には紅茶に癒され、紅茶に励まされ、紅茶に逃げたこともあった私の1年間はなんだったのか。
「ごほ、がはっ! な、なんなのよ、その101匹ワンちゃんみたいな人数は!?」
口元を吹きながら、私は理不尽な平民の新入生の多さに激怒する。
「ワンちゃん?」
吹き出した紅茶や私の取り乱しよりも、ワンちゃん発言を気にして犬を探す犬派の我が友人。
やだ、このラレィ、ちょっと可愛い。
いや……しかし、それどころではない。
1年かけて準備したアドバンテージが壊滅した。
20対101とか想定外すぎる。
「不味いわ……。101人に殴られたら、ボッコボコにされてしまうわ。いや……1人で4人を倒せば……」
「なんで殴ってくる前提なんだい? あと言いにくいけどジーネ君。それ、計算が間違っているからね」
急に殴られるなどと発言したため、ラレィが驚いている。
って、計算…………間違ってました?
それはとにかく!
攻略ルートによって、殴り合いもあるのよ!
――とは言えない。転生やゲームの話などしたら、せっかくの友人関係にヒビが入る。
彼女は重要な相打ち要員だ。
いえ、101人もいたら、1人くらい相打ちにしても意味がない。
なんだが急にラレィの価値が激減したわねっ!
「彼女たちは聖女様……いや、候補か。そんな子が殴りかかってくることなんて……いや、まて。なにか殴られるようなことでもしたのかい?」
「し、してないけど……」
なんとなく疑われている。この私を……大切な友人を信じてっ!
相打ちに送り出すとしても、それは貴女への祝福なのよ!
「それはともかく、人数そのものがおかしいでしょっ! なによ、101人って! NFLならベンチ入り含めて2チームでプレイしても5人余るじゃない! 監督とコーチなの!?」
「えぬえふ……? 」
「いえ、な、なんでもないわ。思わず好きな地球知識を口走ってしまっただけですの。決して大きな体格の殿方とか筋肉とかがぶつかり合うのが好きというわけではなくて、本当にそんなに入学するの? 貴族と平民の比率が一気に崩れるんだけど」
「ん、うん、まあ、なんのことかわからないが…………とにかくジーネの趣味はわかったよ。そ、それから新入生については新校舎もできたし、新しい学部も新設されたからね。きっと学園も改革に力を……あ、すまない。間違えていたようだ」
ポケットから取り出したメモを見て、ラレィは入学者の人数を訂正する。
よかった……、きっと101人ではなく実は10人とか、そういう間違いなんだ、と安堵して紅茶のカップに口をつける――
「平民の入学者の人数は101人ではなく、102人だった」
「プラスワン!?」
ほとんど誤差とはいえ、増えたことに私は再び紅茶を吹き出した。
* * *
平民の女の子が、102人も入学するという学園始まって以来の一大事から1週間後。
なるべく数の暴力にさらされないように、私は目立たずヒロインとの接触を避けていた。
そんなある日。
上級生の教室へ続く渡り廊下で、フラフラと歩いている王子を見かけた。
この国の王子である彼は、もちろん乙女ゲームの攻略対象である。
極力、攻略対象にも関わらないようにしていたが、久しぶりに見かけた上に、この国の王子が体調不良そうでは一声かけておきたくなった。
「殿下? どうされたのですか?」
「えっ! あ、ああ。……君か」
声をかけた瞬間、王子がちょっと怯えたように見えたが、気のせいだろうか?
王子はふう、と小さく息を整えて説明をする。
「実はなぜか、階段から落ちてくる女子生徒を助けていたら……」
「まさか、お怪我でも?」
「いや、大丈夫だがちょっと数が……」
「数、ですか?」
もしかして……。
私は少し思い当たる節があり、眉をひそめて王子の話に耳を傾ける。
「階段に近づくと女の子が落ちてきて、その子が立ち去るとすぐにまた落ちてきて……」
「複数……ですか? いったいどれほど?」
ゲーム内の王子出会いイベントを、律儀に再現したヒロインたちがいたのか。
「50人からは数えてないけど、100人は助けたかな?」
「ひゃ、ひゃく……」
思わず言葉を失った。
え、ちょ、あのイベント、まさか102人分もやったのヒロインども?
102人分のイベントを、全部……。王子の腰とかも心配だが、浪費される時間も心配だ。
1人につき、15分のイベントとして、102人分に費やされる時間は25時間と30分。
登校時間どころか、学業の時間も奪われていたのだろう。
……今度は計算、合ってますわよね?
「ふ、ふふふ……段々階段、怖くなってきた。ははは……」
この渡り廊下を進んで校舎に入ると、そこはすぐ階段がある。
王子はちょっと情緒不安定になっているようだ。
「あの殿下、紅茶をお飲みになられますか?」
「あ、ああ、ありがとう。って、君はどこからこの熱々な紅茶を……」
「そんな疑問も疲労も、紅茶様の香りで吹き飛んでしまいますわ」
「紅茶様って……。いや疑問も吹き飛ぶって、これ危なくな…………ふわぁ、いい香りだぁなぁ~ぉふう~」
ふっ。殿下もメロメロの紅茶様。さす紅。
さて紅茶様の魔力により、王子様を悩ます疲労の始末がついたので、あとは従者の方に任せましょう。
あまり深くかかわっても、ヒロインたちと対峙することになるかもしれません。
紅茶様の魔力で、もうなにもかもどうでもいいや、というほどまでリラックスされた王子を、お付きの従者に預けてこの場を後にする。
イベントも一通り終わったはずなので、殿下の階段落下受け止めもおしまいなはず……って、もしかして攻略対象は、みなヒロインたちと出会いイベントを経験するのかしら?
たしか、王国さいきょーの騎士様は、子供とぶつかりそうになって落馬し、子供かばって怪我をしたヒロインと出会うはずですが……、102回も落馬したら1回くらい死ぬのではないでしょうか?
あと間違って、ヒロインの1人か2人、轢き殺されていてくれないかしら?
記憶ではたしか……毎日、元気に出席されていたので大丈夫でしょう。
あとヒロインが亡くなられたという話も聞かないので、残念ながら轢き殺されてはいないのでしょう。
チッ……。早く気がついていたら、罠でも仕込んで始末しておくべきでしたわ!
おっと、悪役令嬢面に堕ちるところでした。ふう、危ない、危ない。
それから騎士の方は怪我もないようなので、落馬の達人と化していらっしゃるのかも。
なるべく関わりたくないのですが、攻略対象を伺うくらいいいでしょう。
私は攻略対象の男子生徒たちを探して、あまり訪れない新校舎へと足を向けた。
そこでは、真っ黒なドレスを着た女子生徒が、平服を着た女子生徒を虐げている真っ最中であった。
「お~っほっほっほっ! 下賤な平民は礼儀も知らないようね!」
「も、申し訳ございません……」
校舎の前で平謝りする平民の女子生徒に対し、一段高い玄関で取り巻きを従えた令嬢が高笑いで罵る。
そんなゲームではありふれた光景が、そこにあった。
あら?
私が大人しくしていたら、誰かが悪役令嬢の代わりをしてくれているのかしら?
破滅を押し付けることができてラッキー。
などと考えていたら、野次馬の中から私を見つけ出したラレィがこちらへとやってきた。
「やあ、ジーネ君。こちらにくるなんて珍しいね」
「ええ。ちょっと騒がしかったもので――。ラレィさん。いったい、なにがあったのかしら?」
偵察であったことをぼかし、ラレィに事の次第を尋ねる。
「ああ。ちょっとしたトラブルさ。先日、平民から貴族の養子になった子が、兼ねてから仲の悪かった女子生徒に……ああした言葉を、ね。投げつけているのさ」
わかるだろ?
そんな意味合いでウインクをしながら、ラレィが私を肩に寄せる。
そして早く立ち去ろうと、新校舎の前から私を引き離す。
「え、それってつまり、あの高笑いしてるいかにもイジワルそうな感じの子、元は平民で聖女候補なの?」
騒動に背を向けながら、私は顛末に驚愕した。
「そうだね。困った子だよ」
呆れたものだ、と前髪を払うラレィに対し、私も違う意味で呆れた。
なんで、ヒロインの一部が悪役令嬢化してんのよ!
そりゃあ、102人もいたら悪堕ちくらいあってもおかしくないか!
というか、ゲームにないイベント起こしてんじゃないわよ、ヒロイン!
それにしても、どうしようかしら?
いっそ、あの虐げられているヒロイン102人中の1人を助けてあげるという手段も……。
いやいや、ダメだ。
その場合、悪役令嬢と化した聖女候補が、私の敵となる。
最悪、敵対した瞬間、外部に敵が出来たと彼女たちが結託する恐れがある。
そうなれば、ワンオーワンプラスワンの一部が我が派閥を押しつぶしてくるかもしれない。
一部に肩入れをすると、悪役令嬢と化したヒロイン集団を敵に回る可能性がある。
わずかなヒロインを味方につけるため、多数を敵に回す愚は犯したくない。
増してや、ゲームイベントでもなかった事態に首を突っ込めば、状況がどう転ぶかわからない。せっかくのゲーム知識というアドバンテージを失うだろう。
こうして出した結論は――。
「ここは見にまわろう!」
私はどうしょうもないので、様子見にまわることにした。
だって言うじゃない。
神はいつも数の味方って。
* * *
* * *
結局のところ、世界はヒロインたちの味方だったが、私は世界の敵ではなかった。
つまり、私はヒロインからもゲーム世界からも敵対視されず、学園に通う1人の生徒に過ぎなかった。
世界に愛されているヒロインたち。
彼女たちに敵対しなければ、世界はこれほど私に無関心なのか。
虚しさから少し思索に耽りそうになったが、私の頭はそこまで高性能にはできていない。
はあ、紅茶様の香りは精神を落ち着ける作用がありますわね。
すーはー、すーはー……。
「そ、そういう香りの楽しみ方はどうかな?」
ラレィがそれ以上はいけないと、カップを持つ手に両手を添えて私を現実に引き戻す。
現実がゲーム世界だけど。
ゲーム世界が現実?
おかしいでしょ、ゲームはゲーム、現実はどっち?
ああ、いけない。
精神の安定を求めるあまり、つい紅茶様の魔力に捕らわれてしまいました。
友人が怯えた様子で忠告してくれなければ、このまま中毒患者のようになっていたでしょう。
ふう、と平静さを取り戻し、いったんカップをソーサーの上に置き、紅茶様を休ませる。
「何事も……いえ、いろいろありましたが、私たちは幸い、穏やかな学園生活を送ることができましたね」
ヒロインと世界に目をつけられている攻略対象の男性方々のご苦労はすごかったが、私たちはおおむね平和だった。
学園を巻き込んだ騒動などもあったが、世界は彼女たちの味方であり、私とほとんどの生徒はコミカルな被害者という様相で収まっている。
派閥の数をそろえたことも、騒動に対処し、身を守るためにはそれなりに効果があった。
なにより友達が多いっていいよね。
落ち着いたところで、ラレィがまた集めた情報を披露し始める。
「去年はいろいろあったが、学園もなんとか慣れて……対処できるようになってきた。先生方もマニュアルを作って対応してくれているらしい。それに今年は平民が102人も入学ということもないし、ひとまず安心だね」
「そう。平民がたくさん入学ということはないのね」
「ああ……。平民がたくさん入学ということはない……」
情報通として何かと忙しかったラレィも、ほっと胸を撫で下ろし、紅茶様を味わっている。
学園は102人のヒロインを受け入れ、新しい段階へと突入した。
いろいろ弊害もあったが、すべてが順調に回り始めている。
などと安堵する私の脳裏に――
――続編。
突如そんな言葉がよぎった。
そういえば……。
そう、続編がこの乙女ゲームにはあったはずだ。
続編のゲームはヒロインのパラメーターや設定を、大幅に弄れるシステムだった。
やり込みプレイも好評で、何かと話題になっていた記憶がある。
私はちょっとプレイして、気になる攻略対象を数人クリアをした程度だ。やり込みや、全エンディング制覇などはしていない。
続編は学園も選択式になっていて、ヒロインはキャラメイクに合わせた学園に行くことになっていた。
騎士寄りのパラメーターならば、騎士学校が選択できるようになり、魔法使いタイプならば、魔法寄宿舎学校に入学できる。
つまり、ヒロインがこの学園を選ばない可能性もあるわけだ。
多少、攻略キャラなどNPCが別学園の生徒になっているなどの、容量や脚本に合わせた改編などが起こるが、まあそれはこちらの世界では起きないであろう。
掲揚される我が国の旗を見上げつつ、安堵しながら紅茶を楽しむ。
――と、わずかな波が紅茶の水面にさざ波立っていた。
「地震?」
「……いや、なにかが近づいてきて」
ラレィが警戒し立ち上がったところで、ぬっと黒い雲が空を覆い、私たちに影を落とす。
いや、雲ではない。
人だ。
巨人だ。
5メートルはあるかという、ドレスを着た大きな女の子であった。
「わたくしは巨人令嬢! はじめまして、先輩がた! つい紅茶の香りに誘われて……ふふ、はしたなくてごめんなさい」
巨人の令嬢はそう挨拶して、レンガの床に腰を下ろす。
さす紅。
紅茶の魔力は、こんなものまで引き寄せるのか。
「って、どういうパラメータ振り分けをしたら、そうなりますの!」
「まあまあ、落ち着いて……、ほ、ほら紅茶だよ!」
取り乱す私に、ラレィが紅茶を差し出してくれた。
それを受け取り、一気に飲み干す。
「はあはあ…………ふう。落ちつきましたわ」
「落ち着いたところでなんだが、どうやら巨人令嬢だけでなく、なにやら魔法令嬢とか、サムライ令嬢とか、卑劣令嬢とか、なんだかよくわからない令嬢がたくさん入学するそうだよ。あと魔王令嬢とか、悪魔令嬢とか、最低令嬢とか、破滅令嬢とか」
「破滅令嬢って、エンディングに入ってませんこと!?」
なんでも令嬢をつければいい、そんな複合語がラレィの口から飛び出して乱舞する。
あと、なんか悪そうなの多いな!
そこで紅茶を勝手に飲み始めてる巨人令嬢が、まだマシに思えてきた。
「あら、こちらの紅茶、美味しいですわね。紅茶令嬢様」
「勝手に飲んで、勝手に名前付けんな!」