俺に勝つには〇〇年早い!
ある荒野での決闘。
そこにはなんとも恐ろしい姿の魔物と若いエルフの男がいた。魔物の表情は余裕だ。なぜなら自分の目の前にいるエルフは自分との戦闘でもうボロボロだからである。そして勝ち誇ったかのように魔物はエルフに言った。
「魔法の筋は悪くないだが小僧、残念だったな!
その程度ではこの俺は倒せん!俺に勝つには10年早いわ!!!」
笑いが止まらない魔物だがそこで
「10年」
ボロボロのエルフが口を開いた。
「10年経てばよお、テメーを吹き飛ばせるんだな?」
「??何を言うかと思えば、残念ながらお前はここで死ぬ、お前に10年も猶予を与え…!?」
急にエルフの周りからものすごい量の魔力の渦が吹き荒れる。
「じゃあ10年後の俺に今ここで吹き飛ばされな!」
「時間加速!!!」
煙と共に現れたのは先ほどのエルフだが明らかに姿が違う。もう小僧と呼べる見た目ではない。そして魔力量が先ほどバカにしていた頃と桁違いに上がっていた。もうバカにしていたエルフとは同一人物だが今自分の前に立っているそれは全くの別物でありもう自分の敵う相手では無くなってしまっていた。魔物は理解し恐れおののいた。まさに戦慄。ほんの数十秒前まで自分の方が優勢だった。もう負けるることはない、いやむしろ勝ちを確信していたはずなのに。
「…貴様は一体……」
魔物は跡形もなく吹き飛ばされた。
とてつもない魔力による熱放射だった。荒野は超高熱で熱せられたため赤く溶けていた。
エルフの姿が先ほどの小僧と呼べる姿に戻っていた。
「ん〜5年で良かったかな。」
エルフは立ち去っていった。




