委員長として
さて、今の僕が図書委員長として誇れることは何だろう。代表委員会の委員っていうのは業績でもなんでもないか。それでも、二つくらいは思いつくものがある。
僕の学校は、形だけかもしれないが、「生徒自治」をうたっている。自治会があり、形式的には、部活動と委員会、代表委員会がその下の組織として、会計監査が独立した組織として存在する。形式上はだ。毎学期に生徒総会が開催され、委員会が活動計画を発表し、質問を受け、多数決を取り、可決される。ところが、質問なんてほぼ来ないし、学校が生徒自治をうたってるから、今も残ってるようなものだ。
それでも、全校生徒約千人の前で、原稿を読み上げる緊張というものは、そう簡単に経験できない。もちろん、コミ症の僕は上がりに上がり、壇上にいた記憶がない。友達(友達と言えるのかわからないが)が、終わった後に、声が小さかった、と教えてくれた。今となっては、後悔だけが残ったかもしれないが、千人の前で話すことなんて、今後の人生で何度あるか分からない。その時に失敗しなければいいや、と考える。
まぁ、こんなことは、どの委員長でもやることだ。僕だけの話ではない。それでも、これを業績の一つにカウントしてしまう僕が情けない。
そして、2つ目は、図書便りの発行。図書委員会には決まった仕事なんてないから、自分たちで作らないといけない。でも、みんな、面倒臭いことはやりたくない。そこで、妥協案として、例年の先輩たちがやっている図書便りを発行することにした。「何月には何組が発行」って約束した。約束したのだが、期限になったって、発行されることはない。みんな、やる気がないのだ。委員会の直後に忘れてるのだ。結局、僕が肩代わりして、作ったり、アイデアを出したり・・・。最終的に、10回の発行のうち、6回は僕が一人で、2回は僕がアイデアと内容を作り、打ち込んでもらって僕が印刷、1回はクラスの女子の委員と二人で、そして、1回だけ僕が関与せず作成した。
ほぼ、僕一人による図書便りの私物化が進んだ。こういうのは、いけないはずなんだけどね。書くことないから、僕がどうして本が好きなのか、についてで図書便りを文字で埋め尽くしたり・・・。
内容を考えるのはまだいい。本当に面倒くさいのは、図書便りを担当の先生に出す時。先生に見せ、直し、副校長に見せ、直し、校長のハンコをもらう。そして、印刷室で印刷。先生を捕まえたり、直したりで数日かかる。
これだけ、先生たちとの間で走り回ってる委員長なんていないな。そう思える。でも、図書便りという一つのもの、みんなが読みもせず捨ててしまうようなもの、それを作り上げるのに、裏で努力をしている存在がいる。そんなことを身をもって経験した。