閑話休題
紅莉「祝!ブックマーク2桁!!ありがとう皆さん、おめでとう私」
ななみ「はい、冒頭から好き放題ですね」
紅莉「今回の4章。実はですね、5ヶ月も待たせておいてまだ半分しか描けてないんですよ。だからここでまたお時間いただくわけです」
ななみ「その謝罪会のはずなのにどうして最初にお祝いムードなの?」
紅莉「そりゃブックマーク2桁だからね」
ななみ「作者の前作の方のブックマークは128、つまり3桁だけど?」
紅莉「シャラップ!!あっちは受けを狙いまくった上にパロディとエロネタと作者自身が『ホント、クソみてぇに酷い作品だ』と思うくらいだったからね」
ななみ「いや、それでも受けてるじゃない?」
紅莉「真に書きたかったわけじゃないよ!!なろうは『異世界』って単語がついてた方が受けるって聞いてたから『試しに作ってみるか』と思ってノリと勢いだけで書いたら……」
ななみ「作者の代表作みたいになったわけね。1回だけだけど日間ランキング(完結済み)に載れたもの」
紅莉「だから、この作品で本気を出したいってわけ」
ななみ「他の二作の進行を止めてまで描いているにしては受けは良くないけど」
紅莉「……良いんだよ!WEB小説なんて自己満足の世界だし、10人もブックマークしてくれたんだもん!!そもそもこんな作品を読んでくれてる時点でありがたいものだよ。受け狙い所か各所にケンカを売るようなスタンスだもん」
ななみ「そうよね。完璧超人系の風潮において『無断欠席は当然、討論よりも肉体言語派、超弩級のシスコン』とえげつない設定だもんね」
紅莉「改めると、本当に酷い……」
ななみ「『友達想い』って設定がかろうじて主人公っぽい」
紅莉「かろうじてって言わないでよ!!」
ななみ「マイルドヤンキー感がぷんぷんだ」
紅莉「やめて!もう自虐とかそんなレベルじゃないよ!?」
ななみ「まぁ、マジメな話、ありがたいことよね。こんなに異端な作品を読んでくれる人がいるってのは嬉しい限りよ。この小説投稿サイトだけじゃなく、書籍化される作品には『異世界』だの『転生』だのばっかりだもの。これ、去年からずっと変わらないわよ。3年くらい前からこんなのばっかだって有識者は言ってたわよ」
紅莉「ホント、ラノベのブームなんて1年くらいでころころ変わるのに未だに『異世界』や『転生』が強いってどういうことなんだろうね……。ハ○ヒが流行れば特殊部活モノが増えて、は○ないが流行れば残念系ヒロインが増えて、そして今じゃ最強無敵系主人公ばっかになってマンガが『ラノベ主人公www』とか言うようなご時勢だもんね」
ななみ「そんな時代の流れをあえて無視する!」
紅莉「トガってるってかそんなレベルじゃないよね」
ななみ「やっぱり、主人公が好きになれないと物語ってのは面白くないと思うのよ」
紅莉「…………ちょっと待って。それって私の受けが良くないって事じゃないの?」
ななみ「気にしない気にしない」
紅莉「気にするよ!!」
ななみ「ライトノベルってのはあくまで『主人公を中心とした物語』であって、『ヒロインとの物語』じゃないのよ」
紅莉「…………?どういうこと?」
ななみ「まぁつまり、ライトノベルの主人公ってのは誰でも良いのよ。本来ならカテゴリーエラーだろうと歓迎するべきなの」
紅莉「そりゃそうだよね。ラノベ読者に中高生が多いから男子高校生が主人公がデフォって言っても女性が主人公の物語もちゃんとあるし…………あ、でも動物モノのラノベってのはあるのかな?擬人化は探せばあるだろうけど」
ななみ「けれどハーレムラノベと呼ばれる『ヒロインとの物語』を中心にしている作品ってのは深みがないのよ。なぜだか分かる」
紅莉「分からん」
ななみ「それはヒロインが使い捨てだからよ。人気が出なければメインヒロインだろうと滑り台行き」
紅莉「『滑り台』とかそんなスラングは言うなよ!?」
ななみ「まぁ『幼馴染は負けフラグ』とか数年前から言われてるし」
紅莉「昔は幼馴染が王道だったよね。幼い頃に結婚の約束をしてたってのはラブコメのお約束じゃない?」
ななみ「それが、いつの間にか落下系ヒロインがサブカルの王道になって来て……」
紅莉「使い捨てチョロインが主流になっていったと……酷い!酷すぎる!!」
ななみ「悲しいけど、これが現実なのよ。もっと言えばラノベそのものが消耗品扱いになっているの」
紅莉「どういうこと?」
ななみ「長期化する意思がないって事。湯水のように量産してニワカに受ければ良い、数撃ちゃ当ると言わんばかりに量産。そして読者自身がラノベを消耗品として楽しむわけ。オワコンって言葉がその象徴。某大手ラノベレーベルの格闘ゲームあるでしょ?あれだってプレアブルキャラの選定が露骨すぎるでしょ?戦闘能力ある主人公が軒並みサポートキャラだもの」
紅莉「あれはちょっとねぇ……古参が『おぉ!?』って興奮するようなのじゃなくて、今でも人気な作品ばっか……」
ななみ「でも、版権使用料とかあるから必ずしも打算的とは言えないのよ」
紅莉「うわぁー、大人の世界だ」
ななみ「あとは流行を気にしすぎ。何が異世界グルメよ。そんな空想料理なんてどうでもいいの。そんな他人の妄想料理を読むくらいならファミレスで美味しい料理食べた方がマシね。スライムをどう調理しようと興味ないわ。そんなにゲル状が好きならババロアでも食ってろ!」
紅莉「最近の流行を真っ向から否定するスタンス」
ななみ「流行なんかに囚われてるからダメなの。それは思考停止、いや洗脳と同じよ。個性が大事だと言われている時代だからこそ、他人との差別化が大事なわけ」
紅莉「まぁ差別化は大事だよね。安くて美味いチェーン店と高くいのにそれほど美味しくない個人経営だったら8割の人類はチェーン店に行くんじゃないかな?」
ななみ「そうよね、オーガニックがどうだのとのたまう意識高い系の人間以外はチェーン店で十分よ」
紅莉「個人経営がチェーン店に味で負けてたら商売になんないよね」
ななみ「ここのランキングの上位もまだ同じようなものばかり。逆説的に言えば同じようなもので受けるってことは、そこに差別化の必要は無く、代替商品で十分ってわけ」
紅莉「経済学でもあるよね。確か『牛肉が高くなったなら豚肉を買う人間が増える』って」
ななみ「そう、面白さではなく設定が重視される。そんなの好き嫌いなんて無いのと同じよ。球技が好きだって言っても野球とサッカーじゃやってることが全く違う。でも野球とソフトボールくらいの違いしかないわけ」
紅莉「初心者目には野球とソフトボールの違いなんて投げ方とボールの大きさ、ピッチャーとバッターボックスの距離くらいの違いしかないもん」
ななみ「詳しく調べればいろいろ相違点はあるのでしょうけど、その程度の違いしかないわよね」
紅莉「うんうん。それで?」
ななみ「『~~で良いじゃん問題』が浮上するのよ」
紅莉「『~~で良いじゃん問題』?なにそれ?聞いた事ないよ」
ななみ「作者が作った問題だもの」
紅莉「造語かよ!?……まぁいいや、それって何?」
ななみ「『~~で良いじゃん』ってのは『AとA'ならAだけで良いじゃん』ってこと。ラノベ現状の『Aを楽しんだ人ならA'も楽しめるよ』ってのがそのうち通用しなくなると推測できるわ。分かる?Aという人気作の劣化コピーのA'を作ったってそれで満足する人はAが好きな人。A'だけならまだ良いけどA'の劣化コピーであるA"と無限螺旋に派生していく可能性だってあるわけ」
紅莉「なにその『○○さんのモノマネをする××のモノマネ』みたいな質の低いモノマネ……」
ななみ「そうよ、結局劣化コピーの劣化コピーで、その劣化コピーだからとんでもない劣化コピーが生まれるってわけ。それが今のラノベ業界の問題よ」
紅莉「でもそれで経済が回ってるならウチの作者みたいなゴミクリエイターが不満を吐いたって仕方ないんじゃないの?」
ななみ「経済が回ってる?冗談でしょ?」
紅莉「へ?」
ななみ「ラノベ市場の売上ってのは2年前から年々小さくなっているのよ。」
紅莉「え!?マジで!?」
ななみ「そういうデータが出ているの。長期作品は固定層が徐々に減っていき、新規作品は目新しさの欠如で不買なのでしょうね、たぶん。だから言ってるでしょ。『AとA'ならAだけで良いじゃん』って」
紅莉「世知辛いね。まぁ同じような作品ならお金払わない人が増えるのも自然かな。ラノベ1冊600円はするし」
ななみ「だからこそ、この作品あえて違う路線を突き進むのであります!!」
紅莉「おぉ!そう繋がるわけか!」
ななみ「まぁ……こんなところに書くよりもちゃんとしたラノベ編集部とかに持ち込んだ方が良いだろって意見も理解できるけど」
紅莉「でもこの前話題になってたじゃん。編集は冒頭40ページくらいで投げ出すって」
ななみ「あれも悲しいわよね。160ページくらい必死に書いているのに冒頭で鼻くそ丸めながら読んでる偉そうなオッサンにダメ出しなんかされた日には悲しさよりも怒りを感じるって」
紅莉「今の時代、編集にゴマすりするよりもネットで人気になる方がワンチャンあるから」
ななみ「でもその結果、二番煎じばっか」
紅莉「こらこら、話がループしてますよ」
ななみ「まぁ、そんなわけで我々らが主人公は高頻度でボッコボコになります」
紅莉「それは頻繁に入院している有名な主人公がいますね」
ななみ「もう!なんでそういうことを言うのよ、アンタは!!」
紅莉「い、いや……だって事実だし?そもそも誰もやってないようなことってのはダメなんだよ?既視感やお約束ってのが大事だって偉い人も」
ななみ「……ごもっともね」
紅莉「既視感やお約束とテンプレやマンネリとは全く違うんです。バカな人にはそれが分からんのですよ」
ななみ「そ、そうね。結果として無敗の主人公と、設定ゆえに常勝の主人公じゃ全く意味が違うわね」
紅莉「推しキャラがちょっと酷い目にあっただけで『扱いが酷い!』って言われるもん」
ななみ「さすが経験者は違うわね」
※作者は前作で『主人公が理不尽に酷い目にあうからストレスが溜まる』という意見を貰いました。
紅莉「万人受けする作品なんて存在しない。これは常識である」
ななみ「そうね、だからオタクはマイナーな作品を好むのかも。ニワカが人気作ばかりに群がるから『ニワカとは違うのだよ、ニワカとは!!』って感じかしら」
紅莉「ある人が言ってたもんね。『アニメがあんなに飽和していてもどんな作品も数百枚は売れてるってことはそれだけの人間に需要があるってことだ』と」
ななみ「ある意味すごいわよね、どんだけ低評価な作品にだってお金を払う人間が居るってことは評価なんて相対的なモノでしかないってことだもの」
紅莉「となると、なろうに居るような人間は逆説的にニワカってことに……」
ななみ「こんな風になろうの読者を否定しているからウチの作者はゴミなんじゃない?」
紅莉「どんなコンテンツもニワカが入ってくると衰退するって言われてるじゃん?ニ○動とか見てみなよ、当初はコメントが書ける動画サイトってことで賑わっていたけど、今はもうネットアイドルとその信者の巣窟みたいになってるじゃん?私はあのカオスなMADが溢れていたころのニ○動が好きだったんだよ!!」
ななみ「そうよね、今はもうアニメの公式配信以外は生放送とかで問題起こしてまとめサイトに載ったりするくらいしかないわよね」
紅莉「うんうん、ネットアイドルがゲームやってるところを見て何が楽しいの?」
ななみ「YES!ゲームはプレイしてこそよ!!」
紅莉「こんな時代を打開したい!」
ななみ「でも、そんなことはできやしない!」
紅莉&ななみ「「オラ、こんな世界イヤだ!!」」
紅莉&ななみ「「よし、ぶっ壊そう!!」」
ななみ「なに、この文章……」
紅莉「うん、調子に乗りました……」
ななみ「えっと……そろそろ尺が来てるわよ?」
紅莉「あらら、また言いたいこと言って終わったよ」
ななみ「次回予告とかしなくて良いの?」
紅莉「別に良いよ、だって私主人公なのに次の5章まで扱い良くないもん。あーあ、早く5章にならないかなぁ」
ななみ「ホント、フリーダムに進行するわね」
紅莉「他人事みたいに言ってるけど、ななちゃんに至っては4章でもう出番無いからね?」
ななみ「えぇ!?ワタシの出番ここで終わりなの!?」




