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第2章、キャラクターコメンタリー的なもの その壱

紅莉「主人公は主人公であるから主人公なのだ!断じてイケメンでも、美少女でも、その他の主人公補正を受けているから主人公なのではない!」

蒼子「いきなりどうした?そんな作中でも言ったような事を冒頭からもういっぺん言い出すなんて」

紅莉「この作品のメインヒロインは誰か言ってみろ!」

蒼子「あぁ、うっぜぇ」

紅莉「そう!この月宮紅莉さまだ!!」

蒼子「何も言ってないのに勝手に言いやがった」

紅莉「主人公は私だ!それ以外の誰でもない、私1人で十分なんだ!」

蒼子「だから聞いてないって、そんなこと」


紅莉「と、いうわけで今回の議題は『主人公』である」

蒼子「何がどういうわけなのかは知らないし、知りたくないが、今回の議題は把握した」

紅莉「主人公、それは英語でヒーロー、綴りはHERO、つまりは英雄と同じなんだよ」

蒼子「そうだな、で?だからどうした?」

紅莉「つまり主人公とは英雄のことと言っても過言ではない」

蒼子「なんか最初と言ってる事が違っている気がするぞ?主人公は主人公だから主人公なんじゃなかったのか?」


紅莉「揚げ足を取るな!!これだから最近の若い子は」

蒼子「逆ギレかよ、というかお前も最近の若い子じゃねぇか」

紅莉「マジメな話、主人公がティーンエイジャーでないといけないと言う固定概念によるカテゴリーエラーが多過ぎるわけ。こういうのは全て中二病が悪い。何が中二病だ、小学生のごっこ遊びと大差ないじゃないか。『俺のこの手が真っ赤に燃える!!』とかさ」

蒼子「そのお方は別に中二病じゃないと思うが?」


紅莉「主人公と言うのはカズマやヴァンのようなキャラのことを指すのだと思うね」

蒼子「心当たりが多い名前でどのキャラか特定できないな」

紅莉「谷○監督の」

蒼子「特定されるような情報を付与するな!」


紅莉「本題に入るけど」

蒼子「今までのは本題じゃなかったのか?」

紅莉「最近の物語が何故つまらないのか私はようやく気付いたんだ」

蒼子「とうとう本格的に人様の物語をつまらないとdisり始めたぞ、こいつ」

紅莉「それは主人公たちに個性がない。個性がないのが個性ではない、個性がないからなのだ」

蒼子「ちょっと何言ってるのか理解に苦しむ発言だ。発言者の脳みそが残念なくらいに小さいからなのだろう」

紅莉「つまり、Aという作品の主人公がB、C、Dなどの別作品の主人公と大差ないんだよ」

蒼子「あ、やばい、分かる気がした。変態だったりオタクだったり中二病患者だったりしてるし」


紅莉「個性がないのが個性なのは、それがまるで『普通』と言うネタで進む、がそんなヤツでは主人公になれない、どうしてか?それは簡単だ。何のイベントも起こらない物語を読者が楽しめるわけがないからだ!!」

蒼子「最近は特別なイベントが起こらない日常モノと呼ばれるジャンルが人気だと聞くがな」

紅莉「個性豊かなキャラクター達の中だからこそ『普通』が輝くのであって、『普通』そのものが恒星スターのように自ら光り輝くことはない!!」

蒼子「つまりなんだ?今時の主人公が言う『俺は真の意味での平々凡々の主人公、うんたらかんたら』ってのは自称だと?」


紅莉「そう、本当に『劣悪』だったり『落第』だったり『最弱』だった試しがない!主人公と言うキャラクターに感情移入ではなく共感させるために読者に親しみやすいキャラとして作り上げる、そんなのが最近の主人公じゃない?詭弁を吐き、他人を圧倒し、自分に都合の良い事しか聞かない、まさにそこら辺のゴミクズと一緒じゃない?責任転嫁し、他人に陰口を言い、自己を正当化したがるリアルの人間と」

蒼子「ふむ、一理あるな。爽快感を求めるとそうなる。ウチの作者も前作でも『主人公が理不尽に酷い目にあってストレスが溜まります』って言われてたし」

紅莉「他の作品の主人公と似過ぎてるんだよ。ぶっちゃけ、対人関係さえ違うだけでやってることはほとんど同じ。最近のライトノベルアニメの主人公のキャラクターボイス知ってる?同じような人ばっかだよ?そこで私はこのような声優が担当する主人公のことを『量産型主人公typeライトノベル』と呼ぶ事にした」

蒼子「各所からクレームが来そうだな。いや、クレームで済めばいいけど」


紅莉「誰かが言っていた。物語には『独創性オリジナリティ』と『現実味リアリティ』があれば良いと」

蒼子「オリジナリティは分かるが、リアリティとは?」

紅莉「この場合のリアリティとは、筋道や脈絡に等しい。例えば『罪を犯せば法に裁かれる』みたいな」

蒼子「随分とえぐい例だな」

紅莉「目を潰されたなら目を潰し返せ、歯を折られたなら歯を折り返せ」

蒼子「同害報復か」


紅莉「誰かを殴れば殴り返される、誰かに殴られれば殴り返す」

蒼子「だから戦争は起こるんだがな。報復合戦。核戦争の抑止力が核兵器と言う矛盾」

紅莉「そう!まさにそう!報復が起こるんだよ。どんだけ強力な兵器で威嚇しても、それを使った時点で報復は起こるんだ!歴史が語っている、アメリカ同時多発テロとか」

蒼子「9.11事件によるイラク戦争のようなことになるってわけか……」

紅莉「物事の結果には必ず原因が存在する。積み木のように下が存在しないと上は存在できない。私が言いたい『現実味リアリティ』ってのはこういうこと」


蒼子「ま、話はそこまでにしておけ。それが受ける時代なのだ。嘆くなら世界を嘆け、恨むなら愚民を恨め。これが今の現実だ、真実だ、残酷な世界の理だ」

紅莉「くそぉ……」

蒼子「お前の考察や推論が妥当だろうと非妥当だろうと関係のないこと」

紅莉「うぎぎぃ……」

蒼子「そんなに今の流行トレンドが嫌いか?」


紅莉「そうじゃなくて飽きるってわけだよ。他の物語との違いが分からない、差別化ができてないとかそんな話じゃなくてテーマや伝えたい事すら分からないってわけ。テンプレだって王道って言い方をすれば良いかもしれないけどさ、同じモノばかりってイヤでしょ?焼肉でロースばかりじゃなくてカルビもハラミもタンもその他も食べたいじゃん?」

蒼子「そうか?アタシは自分が一番好きなものを食べていたいけど?」

紅莉「胃もたれや食べ飽きるって言いたいの、私は。毎日豚骨ラーメンなんて食べてられないでしょ?栄養素的にも」

蒼子「あぁ、そういうことか。確かにバランスの良い食事は肉体にも必要だな、たんぱく質もビタミンも脂質も」

紅莉「だから我々の物語は他の誰かが作れるような作品ではなく唯一無二の作品にしたいのだ!!」

蒼子「なるほど、その結果がこれか」

紅莉「痛いところを平然と突くな!?」

蒼子「好き勝手言ってるんだから好き勝手言われる義務くらいある」


紅莉「はぁー、最近の物語におけるキャラクターってなんなんだろうかね?」

蒼子「また唐突だな、今度は何が言いたい?」

紅莉「キャラクター、これは現代では物語における登場人物と言うことで使われている。けど、原義は人間の人格や性格と言った内面的なモノなんだよ。つまりキャラクターと言うのは個性なんだと思う」

蒼子「それで?」

紅莉「だからこそ、個性が存在しないようなキャラクターってのは物語に必要がない、モブと同じと言う事である。そんな奴等の物語を見て何を受け手が感じれば良いのだろうかね?」


蒼子「つまり何が言いたい?無難だってか?」

紅莉「要約するとそうなる。特筆すべき特徴が存在しないようなキャラクターによる予定調和に等しい物語じゃ何の刺激も感じない。よく言わない?『人間、一番大切なのは人生経験だ』って。つまらない人間がつまらない物語しか作れないのは当然じゃないかな?」

蒼子「まぁ経験を積んでない人間には物事を書くことはできないな、薄い物語になる。猿真似程度なら小学生の浅知恵でもできるって。最近はネットの普及で中学生による盗作が目立っているとか聞いた」


紅莉「そう、猿真似なんだよ。どこかで見たようなキャラがどこかで見たことあるような件をする。設定も展開もどこかで見たことあるような意外性のないオチ、何なんだろうね、あの退屈さ。名作を見返した方が何万倍も楽しいって」

蒼子「そりゃ名作なんだから何回見ても楽しいだろ。1回で十分の物語なんてのは所詮その程度の物語なんだろ。でもま、マジメな話、今の時代がそうなんだろ?『こんな作品をやりたい!』なんて意気込んでも、最終的にはヒロインが可愛いからとかヒーローがカッコイイからと言うことが最重要項目となり、そこで売れる売れないの話になる、今はそんな時代」

紅莉「うわー……ないわぁー……」


蒼子「二次創作とかあるが、原作設定をガン無視してるような二次創作同人だってある。それは性別問わずオタクがキャラをそういう目でしか見ていないってことだろ?ノンケの男同士または女同士でBLにしたり百合にしたり、『俺の知ってる○○はこんなこと言わねぇよ!!』と怒りたくなるようなキャラクターと言う記号のみが同じような同人マンガとかさ」


紅莉「やめて!アニメとかがまるで性欲目当てでしか見られてないみたいな言い方!!」

蒼子「え?合ってるだろ?ラブコメだったのにシナリオを進めるのを止めてエロネタばかりをやってる、初期の段階にテコ入れでバトルマンガになっても良いように一応そういう設定を入れていた某マンガだってあるし」

紅莉「ふみゃー!!」

蒼子「そもそも恋愛経験のないような人間が書いたラブコメなんてただの処女や童貞の妄想でしかないわけで……」

紅莉「はい、終了!!強制終了!!これ以上はいろいろヤバイので今回はここまででお開きにしたいと思います!!」

蒼子「なんだよ、ようやく舌が回り始めてきたのに」

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