エピローグ、菖蒲の望は置き土産を残す
「ぅうん?」
今まで感じた事のないほど酷い頭痛に苛まれらがらベッドで起きたのだけど、ここが自宅ではないことは一目で分かった。
自宅とかそういう以前にここは住居ですらないと思われる。
理由は簡単、ここは化学の実験室かのように未知の機材が山ほど存在した。
ベッドの隣には心電図を計測するための機械があり、電源も生きているようで現在進行形で動いている。けれど、その機械にはほこりが被っている。
ここの謎の部屋の主は死んだのか?それともこの部屋のことを忘れてしまったのか?
何がなんだか理解ができない……。
そして時間が経ち自分に点滴されている事に気付いた。
やはり、どこぞのお人よしが何を思ったのかここに連れて来てくれたみたい。
けど、ほこりが被っている部屋のことを考えると、この部屋の主は死んだのかな?
ここまでのことをしていながらこんな特殊な病室のことを忘れるってのは考え難いはず。
本当に意味が分からない……。
そう思っていると、ホワイトボードが目に入った。
そのホワイトボードに書かれている内容で、自分がなぜこんな所に居るのかが思い出した。
そうか、そういうことか……。でも、いったいこんなことを誰が?
……もしかして、シルフィーなの?




