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プロローグ、白銀の剣は友を悼む

 6月1日、私ことシルヴィア・リリィ・アルジェントは親友の墓参りにやって来た。

「ここまでで大丈夫だ。毎月、すまないな」

 毎月1日にこうして私を車で送ってくれる老執事アルトゥーロに謝罪する。

 この程度、私が自分で

「いえいえ、お気になさらないでください。シルヴィア様の貴重な時間を浪費させるわけにはいきませんから」

「そう言ってもらえるとありがたい。すぐに戻るから待っておいてくれ」

「かしこまりました」

 駐車場で待ってくれるというアルトゥーロを置いて、墓地に向かった。


「やぁ、一月ぶりだね。こっちは元気にやっているよ。ただの近況報告さ、もっとも君の性格を考えるとウザく感じてしまうかもしれないけどね」

 墓石を綺麗にしようと思ったのだけど、すでに先客が居たようで綺麗にされていた。

 花束を供えて、線香に火をつけて供え、話を始める。

「最近はいろいろと大変で、変な新人に目をつけられたよ。その新人ってのはあのシスコン教官の妹さま。そういう新人に対して私はどう接するべきだろうか?私も君のようにフランクな先輩を演じる事ができれば良いのだけど、どうも私のキャラクターではなくてね」

 合掌をして冥福を祈り、過去を懐かしみ、あの最上の日常を思い返す。


「君のようにメリハリを出すことができれば、もっと人望も手に入れられたかもしれないし……とはいえ、買いかぶり過ぎたかな?ここまで褒められても君は嫌うか」

 自分で言って笑ってしまう。いつまでもこうしていたい……。

 けど、現実に戻らなければいけない、シンデレラの魔法はもうお終いだ。

「じゃあ今日はそろそろ帰るよ。また来月に来るからね、親友」

 もう二度と手に入らない日常と別れを告げ、アルトゥーロの待っている駐車場へ戻った。

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