ぎこちない朝、変わる兆し(Bルート)
朝の光がカーテン越しに差し込む。
リビングにはまだ昨日の片付けの名残があるけれど、静かな空気が流れていた。
夫はぎこちなく卵を割り、パンを焼く。
「これで大丈夫かな…?」
声が小さく、慎重だ。
妻は深呼吸して微笑む。
「ありがとう、助かるよ」
以前なら、無言で何もせず、勝手なことばかりしていた夫。
けれど今は、少しずつでも変わろうとしている。
妻はその様子を見ながら、胸の奥で微かな希望を感じる。
子どもたちが食卓に座る。
「パパ、こっち来て!」
夫はぎこちなく手を差し伸べ、子どもたちの声に応える。
その小さな行動一つひとつが、過去の冷たさを少しずつ埋めていくようだった。
日中、洗濯や買い物などの家事を分担しながら、夫は戸惑いながらも行動する。
妻はその度に心の中で考える。
——まだ完全じゃない。過去のことも簡単には消えない。
でも、こうやって少しずつ変わろうとする姿勢は、見過ごせない。
夜、子どもたちを寝かしつけた後、二人はソファで向かい合う。
「今日は…ありがとう」
夫のぎこちない言葉に、妻は頷く。
「少しずつね」
言葉少なでも、心の距離は確かに縮まっている。
窓の外に星が瞬く。
ぎこちなさの中で、少しずつだが未来への道が見え始めていた。
妻は静かに呟く。
——まだ長い道のりだけど、一歩ずつ歩こう。
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