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見えない家事、見えない私  作者: 櫻木サヱ
揺れる朝と選択の時

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さよならの朝、そして自分を取り戻す一歩(Aルート)

朝の光がゆっくりと差し込むリビング。

カーテンの隙間から漏れる光は優しいのに、空気は重く、張り詰めている。


妻はバッグをぎゅっと握る。

胸の奥に、緊張と決意の熱が渦巻く。——今日、私は動く。


寝室にそっと近づく。

子どもたちはまだ夢の中で、小さな手が布団の中でかすかに動く。

無垢な寝顔に胸が締め付けられる。


妻は震える声で呟く。

「ごめんね、ママはちょっとだけ我慢してね」

罪悪感と同時に、自分を守るための熱が胸に広がる。


リビングで夫とすれ違う。

新聞に目を落とし、挨拶もしない夫。

無関心の態度が、逆に決心を固める。——もう期待しなくていい。


バッグを肩にかけ、玄関へ向かう。

手が震える。階段を降りるたびに、過去の日々が走馬灯のように浮かぶ。

夫の無関心、家事と育児の負担、涙をこらえながら黙々と動いた日々。

胸が痛むが、今は前に進むしかない。


玄関を開け、冷たい朝の空気を吸い込む。

深呼吸をして、一歩を踏み出す。

道すがら、心の中で繰り返す。——私は逃げているのではない。

生きるため、子どもを守るために動いている。


先輩宅に到着。子どもたちを遊ばせる間、ソファに沈む。

未来への不安が押し寄せる。経済的なこと、孤独、生活のこと。

それでも、自由という名の心の解放が胸を満たす。——これで間違っていない。

私は自分と子どもを守るために動いたのだ。


夜、スマホに子どもたちの声を録音して送る。

「ママ、ありがとう!」胸が熱くなる。

悲しみと希望が混ざり合う。星が夜空で瞬き、冷たい光と温かい希望が混ざる。

深呼吸をして、未来への一歩を踏み出す。——これが私の生きるための最初の一歩。


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