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見えない家事、見えない私  作者: 櫻木サヱ
家庭内の限界と水面下の変化

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26/28

心の中の静かな決意

深夜、家の中は静まり返り、子どもも夫も眠っている。

それでも、私はまだ椅子に座り、肩を落としたまま考え込む。

一日中、家事と育児に追われ、夫の無自覚な態度に押し潰され、心は疲れ果てている。

短時間の自由も、もはや慰めにはならない。

それでも、どこかで、わずかな変化の兆しが芽生えているのを感じる。


長く続いた消耗の日々の中で、心の中の小さな抵抗が少しずつ育ち始めた。

それは、反撃ではなく、静かに自分を守る覚悟だ。

「全部を我慢するだけじゃ、私の心は壊れてしまう」

そう思う瞬間が増えてきた。

たとえ口には出せなくても、心の奥で自分を守ろうとする意志がある。


日中、夫や子どもに振り回されながらも、些細な工夫で自分の時間を作ることができた。

洗濯物を片付ける順番を変える、ほんの数分だけ深呼吸をする、読みかけの小説に目を通す――

そんな小さな行動が、私の心にわずかな自由と安らぎをもたらす。

以前ならこれで心を取り戻せたかもしれないが、今は疲労が重く、完全には癒されない。

それでも、心の奥底では、このわずかな抵抗が力になっていることを感じる。


「いつか、何かを変えなきゃ」

その思いが、静かに、しかし確実に胸の奥に芽生える。

反撃ではなく、自分の心を守るための小さな決意。

どんなに疲れ切っても、この小さな種がある限り、私は完全には沈まない――

そう思うだけで、少しだけ胸が熱くなる。


夜の静寂の中で、美沙は深く息を吐く。

まだ弱く、かすかな光しか見えないけれど、水面下で芽生えたこの覚悟が、次の行動につながることを彼女は感じていた。

孤独や疲労に押し潰されながらも、心の中の種を守り育てること。

それが、私の生きる力の源になる――


そして、美沙は静かに目を閉じる。

絶望の中でも、心の中に芽生えた静かな決意を胸に、明日もまた日常を生き抜く覚悟を、そっと刻むのだった。


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