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6話

シンは朝起きて軽く柔軟をして

ランニングをする

距離は測っておらず毎日同じコースを朝6時から7時まで走る、その後、シャワーで汗を流して朝ごはんを食べて8時過ぎに自分部屋で扇風機にあたりながら勉強をする。

夏休みの宿題はやったが、兄と姉達にもらった教科書や参考書を解くのが日課になっているが、最近はこの時間に携帯が鳴る

1週間ほど前に買った携帯がメッセージを受け取った告知をする、音がうるさくてバイブにしているのだが、毎日朝から夜まで来るので正直午前は布団を被せて無視してる

昼ごはんを食べてる時に携帯の画面を見ると未読が80くらいあったので、慣れない操作で携帯を見ながらご飯を食べてると母親から

「行儀悪いわよ!‥明日の事?」

携帯を見ていいのか悪いのかわからん

「そうかな、アニィとアネェ達からは明日何時に着くだっ‥‥?」

「どうしたの?」

シンはご飯を食べる手を止めて携帯の画面から

顔をあげて母親を見る

「どう言う事よ?」

「お父さんに会いたくなってね!帰りは迎えに行ってあげるからね!」

母親はシンの対面であと少し残ったご飯を食べながらそう言う

「聞いてない」

「1時間半前に言ってます、携帯を見ない子が悪いのよ」

携帯を見ながら母親が言う

「いや、行儀!あと親子の会話の仕方!」

シンは携帯の画面を母親に見せて言う

メッセージ画面には兄や姉達から明日何時?等のメッセージから始まり、開法小メンバーのメッセージが混じっている

〔明日バレー出来ない?朝からなんだけど〕

〔無理かな?母親に連絡したらいいよだって!シンの〕

〔昼ごはん食べたら行くから夕方に着くわ〕

〔オッケー!シンを預かるよー!シンカモーン〕

〔大丈夫よ!携帯見てないだけだから昼ご飯の時に言うわ〕

〔わおー!携帯の意味〕

〔シン!シィーン!今日来るって?明日楽しみ〕

〔皆んなどうする?〕

各種族スタンプ


グループが違うはずなのに話が大筋で繋がっている、要所要所スタンプを挟んでは楽しくやっているみたいだ

よく見れば、母親はよそ行きの格好をして化粧までしている

「勝手に決めてるんですが、どういう事」

「15分後に出るわよ」

「準備が出来てませんが」

「服はアッチで借りればいいんじゃない?最悪身体1つ?」

シンは想像して身震いしてご飯をかき込む

「そんなに嫌なの?ゴスロリ?たぶん可愛いわよ‥‥お人形さんみたいで」

「嫌!」

ご飯を食べ終わると食器をシンクに持って行く

「やっといてあげるから早く準備してきなさい」

シンはありがとうと言い掛けて

「なんで急ぐ事になったと思ってんの!」

「親子の会話を見ない子が悪いのよ」

「会話を見るって何語よ!」

と言いながら、2階へと上がっていく

母親はコーヒーを飲みながら

「きっと日本語」

と呟いた


途中の大きな駅まで姉達が向かいに来てシンを受け渡し、姉達は笑顔で

「アンタはお母さんに迷惑かけてない?」

むしろ、今日朝から?コッチが?と思うが姉達と外で会う時は半眼のゲンナリ顔になる

今日のテーマは太陽と宇宙らしい

サキが白、アキが黒

シンは宇宙猫の気持ちがわかる気がした

母親が3人揃っている所を写真に収めていた

駅のホームで日傘さしてる白と黒に挟まれた男物に身を包んだシン

母親は大満足の笑顔で父親の元へ旅立っていった

「どうしよっか?」

「晩御飯まで時間あるし」

2人はシンを見る

「今日はトコトン付き合うわよ」

「「わお」」

今回、コッチへ来た目的は姉達が兄のファミリーに入るお祝いを明後日の夜にする事だったので明日の夜に来て泊めてもらい、明後日の午前中にお祝いの品を買ってプレゼントする計画だったのだが、ソレをどこで知ったのか(おそらく母親経由)開法小のメンバーが1日早く来てバレーしないと言ってきた

行かないって事を匂わせながら、覚えたてのスタンプ等でかわしていたのだが、母親を味方につけた開法小の戦力は凄まじく一瞬で決まってしまった

普段は付き合わない姉達との休日遊びだが、祝いという事ともうどうにでもしてというやけっぱち感で先程の発言をする


辺りが暗くなってから開法中学の寮に3人は到着した

シンは何キロか痩せた気がしていた

晩御飯は食べた、なのに痩せた気がするのは姉達に付き合って衣裳貸し出ししているプリクラに永遠に付き合わされたからだろう

姉達はホクホク顔でプリクラをメッセージで送って皆んなに公開している

シンのカバンに入っている携帯がひっきりなしにブルブルしてるが後で見る事にする

寮1階の玄関に入ると下駄箱がズラッと並びその奥に窓口がある

姉達は下駄箱に外履きを入れてスリッパ(フワモコ)を取り出して履き、シン用に来客って書いたスリッパを床に置き

「外履きを貸して」

「コレ履いてね」

シンのくつはサキの下駄箱に収納される

ペタペタと音を鳴らしながら先程の窓口まで姉達の後ろをついていく

「すいませーん、帰りました」

「申請していた来客お願いしまーす」

姉達は窓口を覗きながらいうと

「遅いんじゃないかい?」

「あはは、盛り上がっちゃいまして」

窓口からの声にサキが笑顔で答えると

窓口の横の扉がガチャと開く

背の高い女性が扉から出てくる

スラッとして姿勢がいい

「この子がしばらく泊まる子かい?」

「はい、シン・フジムラです、よろしくお願いします」

「はい、寮長だよ、よろしくね」

スッと近づいて頭を2回ポンポンとする

「えっと、姉と一緒の部屋で良いのかい?」

「はい」

「希望があれば来客用も貸せるからね」

「ありがとうございます」

シンは頭を下げる

姉達は紙に何かを記入し女性に渡す

「んじゃ、コッチ」

姉達と廊下を歩いて奥のエレベーターから

6階に上がっていく

お風呂は1階の浴場があるらしく

「久しぶりに一緒に入ろっかー」

「念入りにやってあげる」

シンの髪をいじりながら言う


お風呂に入って、髪を魔術で乾かしながら艶と潤いを与えるドライヤーをあてていると

「コレ最新の?」

「いや、たぶん2個前かな?シンのは3個前くらいのじゃない?」

「渇き良いね」

「あげよっか?確かアキって新しいの買ったよね?」

「うん、アッチの家に置いてある」

「じゃあ、コレあげよっか?」

「やたー!」

そんな他愛のない会話をしながら、シンは携帯を見る、長ーい未読を進んでいくと明日朝8時半に前と同じ体育館に集合でというメッセージがあったので、オッケーと返す

「大会やった時の体育館は遠い?」

「歩いて20分くらいだっけ?」

新しいメッセージが表示され

〔どこの寮にいるの?もしかしてH棟?〕

「ココって何棟になるの?」

「H棟」

サキの答えをメッセージに打つと

〔明日8時に寮前に集合で!〕

元気な蜂のスタンプと共にメッセージが表示される

ソレを姉達に見せながら

「だそうです」

「「リョ〜〜」」

「後、何でも良いから運動着貸して」

「アンタ持ってこなかったわけ?」

シンは「靴は持って来た」と姉達の布団にボスっとうつ伏せに倒れ込む

その上にアキが乗っかると

クエっとシンが呻いた

「前のヤツあったかな?」

サキはクローゼットを開けて中にあったダンボールを開けて‥‥ニヤッと笑う

アキがシンの上に乗っかって脇をコチョコチョしているのを見て、アキに見えるようにダンボールから取り出した服を見せる

アキはサキと同じニヤッとした笑いを出す

「あったから準備しておく」

「あははは!ありがっ!あはは!アキネェやめ」

「うりうりうりうりうり!」

「もう!私!参戦!」

「ちょ!グエッ!重!」

「「成敗!!」」

そんなこんなで夜は更けていった


朝7時前に姉達が用意した運動着に着替えて

外を散歩する

いつも同じ時間に目が覚めてやる事がないし、とりあえず散歩みたいな

偶にすれ違う人におはようございますと言われるので、おはようございますと返す

この運動着は少し大きいけど、いい感じ

少し歩いて姉達から

〔1階食堂にカモーン〕

メッセージが来たのを確認し元来た道を引き返す、よく見ると寮の建物は全部同じだが、建物の外観に何棟と書かれてあった

H棟に入ってすぐに寮長にあった

「おは‥‥おはよう」

「おはようございます」

寮長は一瞬エッて感じでシンを見る

シンは挨拶して寮長の横を通り過ぎて姉達が待つ食堂に向かおうとする、場所は昨日教えてもらっていたので大丈夫

「なんか運動するのかい」

寮長にそう声をかけられたので振り返って

「8時半からバレーに誘われまして」

「アンタはここの学校の子だったのかい?」

「いえ、咲川小になります」

「‥‥ああ、そうかい引き止めて悪かったね」

(咲川小?そんな所とバレー交流が深いなんて話聞いた事も無いけどね)

首を傾げながら日課の掃き掃除へと向かう


ご飯を食べ、姉達はやる事があるからと部屋で別れた

食堂でコッチを見た時からずっとニヤニヤして

「なに?」

「「いや、可愛いよ我が妹よ」」

と言って取り合わない

待ち合わせ場所の寮前に靴の入った鞄を背負って足早に歩く

なんか挨拶をめっちゃされる

寮ってこんなもんなのかなって思いながら

下駄箱で靴を履き替えて外に出ると10日ほど前に1回あっただけだけど、メッセージで写真をいっぱい送ってくるから顔は一致する8人が待っている

「はよー」

と声を掛けると8人が

「おはようございます」

と声を合わせて返してくる

ちょっとビビって後ろに下がると

8人は顔を上げてシンを見るとアッ!?って顔をする

「は?」「えっ何で?」「かわいい」「何でソレを」

「「良いと思う」」「スゴイわね」「面白い」

口々に言われるので

「なんかおかしい?」

黒髪の子が抱きついて来て

「良い」

後ろから銀髪の子が抱きついて

「こういうのもいい」

ぎゅーとされるので

「やめろって言ってんのよ」

もがいて脱出する

「久しぶり!」

「アタシも!」

ギャル風の子とショート金髪の子が左右から抱きつく

「だぁかぁら、暑いっての!」

2人を引き剥がして

「「おはよう」」

「はよー」

赤髪の子と白髪の子に挨拶され返して

「んー、アリか、いやアリかな」

「そーね、ギリアリかもね」

鬼の子とエルフの子は悩んでるようだっだが

「んで、行くの?」

「アリという事で!」

「出た所勝負ね!」

シンが?って顔をすると

「行こう」

黒髪の子がシンの両肩に手を置いて後ろから押し始める

両脇に赤髪の子と白髪の子が並んで歩く

「そういえば、さっきの気合いの入った挨拶は何なのよ」

「面白いから気にしないで」

エルフの子は目線を合わせずそう言った

周りもニコニコとするか目線を合わせずに咳払いをしている

怪しいけど、このメンツでバレーするだけなら何も起こらないよね


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