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5話

「なぁ!ちょっとだけ話しに行かない?」

鬼の子は双璧の片割れに話しかける

「あのね、相手も疲れてるのよ」

「ちょっとだけならいいじゃん

電話番号だけとかさー」

内容がタチの悪いナンパみたいな内容になり少し引き気味にエルフの子は

「そういうのは‥‥センパイ?」

雷姫は鬼の子が行こうとしている先に歩いて行く

「追いかけてくる」

鬼の子は雷姫を追いかけて歩き出す

その後をエルフの子も少し考えた後ついていった


咲川小はすぐに見つかった

廊下で座り込んで

泣いてる者もいたが

大抵は疲労困憊で休んでいた

雷姫を見た咲川小の子は

「ひっ」「えっなんで」

とか言いながらこちらを見ている

その内の1人に雷姫が

「あのちっこいのは何処に行ったの?」

腕を組んで話す

「と、トイレに」「ば、ばか」

咄嗟に話した子がいて止めるようにもう1人が口を開く

雷姫は廊下の天井に吊り下がった看板を見て

トイレに向かって歩き出した

その後を鬼の子とエルフの子が続いて行く

トイレ前に着くと前にならえの状態で

腕に濡れタオルを巻いたシンとその母親らしき女性がトイレから廊下へ出てくる所だった

「ちょっとアンタ!」

シンの母親はビクッとして声のした方を見る

シンは腕にあるタオルを見ながらゆっくり歩いている

雷姫はシンに近づいていき

「アンタよ!聞いてるの!」

最初から喧嘩腰で話しかける相手に足を止めてシンは半眼で雷姫の方を向く

「ウッサイ!何よ!」

鬼の子とエルフの子がえっ!って顔して

シンの方を見ている

周りの人が足を止めるも、シンの母親が頭を下げると歩いていった

雷姫は額に薄っすら青筋が出そうな顔で

「アンタ!私を馬鹿にしてるでしょ!」

今度は鬼の子とエルフの子がえっ!いいががり付けにきたの?って顔して雷姫を見てる

「‥‥母さん疲れた」

前にならえの姿勢を崩して肘あたりまで掛けてあったタオルを取ると赤紫色した腕が出てくる

雷姫と鬼の子がギョッとした顔で腕を見てると

エルフの子がシンに駆け寄って

「お母さんですか?少し魔術を使っても?」

「え?使っても良いんですか?」

「はい、自然治癒力を高めるものなら」

母親はお願いしますと頭を下げる

エルフの子は目を瞑って、口を動かしエルフ族以外には聞こえない言葉を喋る

「あったかい」

シンの腕がうすい緑色の光に包まれてすぐに消える

「ありがとうございます」

「ありがとう」

シンの母親とシンがお礼を言うと手をぱたぱたと振ってエルフは笑顔を見せて振り返ると

雷姫と鬼の子、後は同級生含めた6人が増えていた

「アンタ!何よ!その腕!」

雷姫が続きを始めた

「アンタ達がやったんでしょうが!」

雷姫はウッとするも

「何よその口の聞き方は!答え方ってもんがあるでしょうが!」

シンはスッと冷静になって

「何しにきたの?」

と問いかけると

「こんの!馬鹿じゃない!生意気なのよ!」

と言うと振り返ってズカズカと元来た方向へ帰って行く

「なんなのよ、アレは」

シンが呆れていると

「ごめんな、ウチのセンパイで雷姫って言う二つ名持ちの‥知ってるでしょ」

「アンタ達は双璧だっけ?」

鬼の子は頭を少し下げてシンに話しかける

「そうソレ」

と言いながら鬼の子とエルフの子がシンを覗き込む

「なに?」

少し警戒しながらシンが若干引くと

「試合中とは全然違う」

鬼の子はマジマジと見ながら感想を述べ

「面白いわ」

エルフの子はうんうんと頷きながら続ける

「アンタらも何しに来たのよ」

「あ!電話番号教えて!

メッセージとかしたいし、電話したい!」

鬼の子が言うとシンはシブい感じで母親の方を見ると母親が

「この子ね、携帯を持たない子なのよ

そだ、良い機会だから買いに行こうか?

この後、お兄ちゃんとお姉ちゃん達と一緒に買い物とご飯行くでしょう?」

「いや、いらないって」

「あなた達は選手紹介で言ってたけど原種に

近いんでしょう?大丈夫?電話番号を交換して」

母親の言う事が色々と理解できない上に強引に電話を買いに行かされそうな、そして今ソレが決定したような気がする

「お母さん、原種って?」

「力ある者って事、昔程縛りは無くなったけど名前とかを名簿で知るのは良いけど聞いちゃダメって言う縛りとかあるのよね」

「不便!じゃあ、今どうすんの?」

「種族で呼ぶのよ、例えばあなたなら人族の子とかね」

シンの母親に代わってエルフの子が答える

「まぁ、電話はないからあきらめ「アンタのお母さんに電話番号を教えておくから」」

シンの言葉に被せて鬼の子が答える

「私のも教えておくから」

エルフの子も電話を取り出して母親に教えて行く、母親は「若い子の電話番号ゲット!」とか言っている

「でアンタ達は?何?」

シンはさっきからコチラを見てる6人に話しかけた

銀髪の子が少し進み出て

「あなたはあんなに高く飛んで怖くないの?」

シンが?って顔をしてると銀髪の子は右手を左肩に置き背中に3組の6枚羽根を出す

「高く飛んで落ちたら2度と飛べない事があるの、ソレは怖くないの?」

周りの空気が重くなりシーンとなる

シンは羽根を見ながら

「んー?綺麗な羽根持ってんのにそんな事聞くの?」

銀髪の子はシンを少し睨んで

「答えて」

と再度問いかける

「私は人族で別に飛んでないわよ」

「真面目にお願い」

「私は落ちる回数がとてつもなく多いのよ、落ちる事に関して言えばプロを超えてレジェンドよ!レジェンド!」

銀髪の子はキョトンとした顔になる

「落ちた先で怪我もしたし、穴の底で空を見上げて嫌だなぁって思いもしたわよ」

銀髪の子はジッと聞いているのでシンは続ける

「何かしたら怪我するし、飛んでても何かに撃ち落とされる事もあるんじゃない、だけど、まぁしょうがないじゃない飛んでみたいって気持ちは、誰かが軽くて中身が無いって言おうが、絶対無理だって言おうが、でもさ、やっぱりやってみたくなっちゃたんだから」

銀髪の子は下を向いて呟くように

「本当に無理だったらあなたならどうする?」

「諦める!そんで今でもまだ諦めて無い奴を応援する!かな!たぶん」

「そんな簡単に諦められないじゃない」

「うん!!諦めて無いし、無理だとも思ってないから」

銀髪の子は顔をあげてシンを見る

腕は赤と青、紫色になっていて髪もザンバラ、身長も小さい上に人族

「怖くないの?」

「またそれ?そんなの考えてないわよ!それよか楽しい?とか面白い?って聞いてよ!全部肯定するから」

シンは「コレでいい?」と言うと

銀髪の子は少し目を瞑り、目を開けてまっすぐシンを見て

「電話番号を私も教えてよ、良いでしょう?」

「またそれ?」

銀髪の子は少し笑い、空気が澄んだ気がした

銀髪の子が母親に電話番号を教えに行くと

「私達も」「いい」

と赤髪の子と白髪の子からも言われる

「まだ持ってないのに大人気、ん?」

黒髪の子が不意にシンの前に現れ、しゃがんで、スッと抱きしめた

あまりに突然の事に呆気に取られてると

背中に手を回されて

「チャックが無い」

「離せ」

シンはもがこうとするがショート金髪とギャル風な子が抱きついてきて動きを封じられる

「いや、最近は横のチャックとか」

「肌はモチモチだし、本物?」

銀髪の子も加わり頬をつまみ出す

「アンタら、近いのよ!デカいのよ!そして離せ!本物だ!」

腕の自由があんまり効かない為に抜け出すのが遅れて段々と囲まれ始めた

「おい!お前ら!何してる」

ジャージ姿の女性が声を上げながらコチラに小走りで近づいてくる

「お前ら!コレからミーティングだと言ってるだろう!‥失礼!シン選手か?‥埋もれてるのはなんでかな?」

「それはこっちも疑問よ」

ジャージ姿の女性はシンを解放して

シンの母親に対して頭を下げる

「初めまして!開法小のバレー顧問で、カラマと言います!申し訳ない!試合の後でコチラの選手が何も考えずに来てしまったみたいで!」

「いえいえ、いーですよ!あの子に携帯を買わす口実と友達が増えたので!」

「友達?」

母親はカラマの後ろを指差す

黒髪の子がシンの頭を撫でて、ショート金髪の子がシンの後ろから抱きついてる

「早く、行きなさいよ!」

シンが振り解くと

「携帯買ったら連絡忘れないように」

と何人からか声を掛けられてる

シンは「ハイハイ」と手を振ると

銀髪の子が手を掴み、ギャル風の子が横から抱きしめてくる

「はよ!行けっての!」

キッ!って怒ると笑いながら離れて行く

「まぁ、昔よりは風当たりは良くなったとはいえ、原種は基本は排他的なんですがね‥‥仲が良いなら良いですかね」

「ええ、仲良き事はって事でね」

「はい!ありがとうございます!」

カラマとシンの母親は言うと笑い合う

シンがコチラに歩いてくると

「なに?」

「いや!良い母親だな」

「でしょ!」

とニヤッという感じで笑った

「コートの印象とは全然違うな」

カラマは言いながら時計を見て

「時間だ!では失礼!」

と母親とシンに頭を下げて、来た方向に走り去って行く

「なんなのよ、一体」

「腕は大丈夫なの?」

腕を上げて顔をしかめながら

「ちょい痛いけど、さっきより全然マシ」

「良い腕の子ね、あの子」

「さぁー、名前も知らないしいいんじゃない

それよりも帰って寝たいか‥‥」

シンは荷物が置いてある方向へ歩き出そうとし

母親に後ろ首襟をガッツリ掴まれ

「携帯ね!」

「‥‥‥了解、ママ」



その日の夜にシンは買ってもらった携帯の電源入れるといきなり8人からの友達申請と

グループに入る告知が出ていたので

溜息を漏らして母親にやり方が教えてもらう

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