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41話

開法学園文化祭は門にて事前に登録した身分証明書等と本人確認が出来れば、誰でも入れるようになっており、セキュリティーは卒業生達のボランティアが行っている

今年はとある寮の寮長が卒業生達の突撃を受けたり、バレー部のOB達が盛り上がったりして、朝から大盛況である

そんな中を門まで歩く3人組に皆の視線が集まっていた

真ん中を歩く、最近二つ名を取りバレー部の全国制覇の立役者、人族の子は頭からは代名詞である太い尻尾に見立てた様に仕上げた髪、髪先の方には針の様な飾りがある、それを少し揺らしながら歩いている

衣装は光沢のある素材で仕立てて、太陽の光に怪しく光っており、顔には髪の先まで続くヴェールを被り下を向いて、ときおり笑顔を見せながら、膝まであるブーツで門に向かっていく

両サイドには似たような意匠で作られた白の服を着た人族の子が、プラカードを1枚ずつ持って笑顔で歩いていく

〔1年進学科さそりちゃん展示会〕

〔私達は姉妹で宣伝中!〕

2枚のプラカードにはそう書かれており、歓声や写真いいですかの声に手を振って応えている

3人とも化粧は薄くしていたが、笑顔を振りまいて歩く姿は三姉妹と言えた

そうやって、門から出て行き三姉妹はどこかへ行ってしまうが、興味のある人が展示会に行くと三姉妹を教室や廊下で撮った写真も並べられており人々の目を和ませた



「どこまでついてくる気よ」

「今日はずっと一緒だよー」

「誰かと会うのかな?」

門を出た所で、バスを待ってると姉達はシンのそばを離れずに一緒に駅にまでついてきた

カヤに言われた喫茶店に着き、店内に入ると

「シン様ですね、お待ちしておりました

コチラへどうぞ」

店員に案内される

シン達以外客は誰もおらず、店内奥の座敷に案内される

「失礼します、シン様とお連れの方が来られました」

「ありがとう」

やり取りを済ませて店員は入り口の方に戻っていくので、入れ替わりでシン達が座敷にいる人を見ると

「「「可愛い!!!」」」

3人いたが、3人とも同じ言葉を叫んで、シンを見ていた為、シンはビクッとなる

「今日はお招きありがとうございます」

アキが言い、サキと共に頭を下げる

つられてシンも頭を下げて、あげる時には半眼になって姉達を睨んでいた

「なんで?」

「観念した方がいいよ、妹よ」

「お察しの通りだよ、妹よ」

うぐっと言う顔をするが、お小遣い、お小遣い、ご飯ご飯ご飯と落ち着かせて

「初めましてでいいでしょうか?」

「あ、ごめんなさい、驚かせたよね」

スーツ姿の女性は姿勢を正し、微笑みながらシンを見ると、かわっ!と小声で言う

「あの子が見せたくないって言うはずだよ〜」

「あっ!どうぞどうぞ、コッチに座って〜」

ラフな格好な女性がシンを見ながらヘラっと笑いながら、ラフな格好でメガネをかけた女性がシン達に席をすすめる

シン達はブーツを脱いで座敷に上がって、店員が来たので適当に注文を済ます

「改めまして、初めまして、ウチのカヤがお世話になっています、母親と姉2人になります」

原種なんだっとシンは思いながら

「シン・フジムラと言います」

「アキと」

「サキと言います」

全員頭を下げ合う

「いきなり本題なんだけど、ウチの会社CMで蠍ちゃんを使いたくて、夏頃にそちらの母親と連絡させてもらったの」

スーツ姿の女性はここまでの経緯を話し出す

「でね、CMに出したら色々な人から何アレ?って問い合わせがあって、今までの動画を見せたのよね」

シンは今までの動画?って感じでいると

「コレ!スゴかったよ!」

「なんか実物見ると、ホントに?って思うけど」

ラフな格好の女性が大きめなタブレットで動画を見せて、メガネの女性はシンを微笑んで見て言うが、シンは動画をジッと見てる

「コレは何よ‥」

店員が注文したものを持ってきてくれたので、配りながら動画を見る

前にシンは自分の動画が色々な所に上げられているのはルカやサリ、ウイから見せられていたが、何度か見ただけで、自分の姿を何度か見て興味が無くなったと言うとそうなんだ、じゃあいいか程度だったのに

動画は何十種類もあり、小学生の全国大会から最近までのヤツが加工されて上げられている

前の全国大会で蠍って呼ばれた試合もノン加工とかエフェクトと効果音を入れたヤツ、構えた瞬間を蠍の姿比較とか、賞状を貰う時のヤツも加工されまくっている‥なんで叩かれたら爆発すんのよとか思っていると

「知らなかったの?元の動画がココに上げられているから」

「皆、面白おかしく加工しまくってんのよ」

アキとサキが動画の引用元となるチャンネルにいくと、高画質で撮られたであろう動画が並んでおり、動画を転載する場合はココをクリックって場所もある

「ココをクリックすると、100円の使用料を投げると同時に一回の転載許可が出るよ」

「別にダウンロードしたら何回でも転載できるんだけど、転載しない人とかも結構クリックする人多いみたい」

ラフな格好女性とメガネの女性はニコニコしながら、お賽銭感覚が多いしって言う

チャンネル名は〔蠍のアッツい幹部〕となっており、シンはルカにメッセージを送ると

〔バレた〕

〔メンゴ(シャチのごめんスタンプ)〕

すぐに返信がきた

「こんな感じで盛り上がってて、グッズが欲しいって人も結構いるんだけど、ファンクラブでしか買えなくてね」

スーツ姿の女性は少し魂が抜けかかっているシンに話す

「でね〜、付き合いとかもあるし、う〜とか思ってたら、カヤとの写真でシンちゃんがいるってわかってさ」

「転売とかは駄目だから、ファンクラブに問い合わせたら、会社と本人の直接契約だったら良いってなったのよね〜」

シンはハッと頭を振りながら話を聞いていくが、どこまで話がいってるんだと思う

「お母さんがね、後でシンが聞いてないって怒るのがメンドーだから、一緒に話をまとめてきてって言われてきちゃいました!」

「ました!」

アキとサキはおどけて言うと、シンは真剣な混乱を味わっていたが、認めればいいんじゃない、後は関係ないしという考えが浮かんできて

「許可すればいいんでしょうか?」

「いい?注文を受けてくれるお店も決まっているからありがたいわぁ!」

「注文?」

「シンちゃんは、今の格好どう思う?」

スーツ姿の女性は会話の流れを無視して、シンを優しく見ながら質問してくる

「どうとは?」

「たぶん、三姉妹の蠍をイメージしたんでしょうね、それを再現しようとした見た目とか作りとかデザインとかの話になるかな」

シンは自分の格好かぁと姉達を見る

そんな姿を見ながらスーツ姿の女性は微笑みながら続ける

「グッズを作ってくださるお店は決まっているから、何点かデザインを出してみようかと思ってね、その服をデザインとかをしてくれた人もどうかなぁって思ってね」

「それを私に聞くの?」

シンはう〜んと天井を見る

「それって、私が答えたら駄目とかになるの?」

「あくまでも参考」

ラフな格好の女性が答える

「重たく考えないでね、なんとなく聞いてるだけだからさ」

メガネの女性は微笑みながら聞く

「この人がやってくれるなら、三姉妹とか出して欲しいかなぁ」

シンはそこまで言って、姉達を見ると

「たぶんこの人も自分の姉妹とか大好きそうだし」

アキとサキがシンに抱きついて

「シンは大好きだもんね私を」

「私の事は、その倍は大好きよね」

「離せ!」

シンはもがくが否定はしない、そんな妹を見てアキとサキは笑い、それを見てシンは笑う

スーツ姿の女性はそんな光景を見て、かわっ!と小声で言ってから

「それじゃあ、シンちゃん、呼びつけといて悪いんだけど今日はコレでお開きで良いかしら」

「あっハイ?」

シンはスーツ姿の女性に返事しようと姉達から視線をそちらに向けるとラフな格好の女性とメガネの女性は机に突っ伏して動かなくなっていた

「ごめんなさい、このまま行ってくれるかしら、そちらのお母さんと書類等の手続きは進めておくから」

3人は頭を下げてご馳走様でしたと言い、ブーツを履いて、この後なんか食べる?とか言いながら店を出て行った

3人が出て行った後に突っ伏していた2人は動き出し、四つん這いでハイハイをしながら

シンが座っていた場所の後ろ側の襖を開ける

そこには向こうを向いて丸くなっているカヤがいた

「カヤちゃ〜ん」

真っ赤になったラフな格好の女性が丸くなっているカヤを揺らす

「私達の事、大好きなんだ〜」

真っ赤になったメガネの女性はカヤの前に回り込んで聞く

「‥‥ウッサイ‥‥シンのバカ」

否定をせずにカヤが真っ赤になってうめいていた

「カヤちゅぁん」

「ダイチュキよ〜ん」

ラフな格好の女性とメガネの女性はカヤに乗っかってスリスリしていく

「やめて!シンの匂いがなくなる!離して!」

「シンちゃんに負けないから」

「匂い上書きするし」

3人のそんな姿を動画に撮りながら、スーツ姿の女性は何かを思い出して涙ぐむが

「私も混ぜて〜」

動画を撮りながら3人の上からスリスリし出した

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