夕方よりバケツ
バケツをひっくり返したような雨と大量のバケツでは、どちらが怖いでしょうか?
朝の天気予報で気象予報士さんが、午後からの天気を説明しています。
天気マニアの今日日縒は、朝ごはんのベーコンサンドをカジカジしながら天気予報に釘付けです。
「休みだけど、やっぱし一日じゅう良い日よりでいてほしいだわさ」
日縒の姉の日向も、コーヒーミルクをコプコプ飲み終えて意見を云います。
「そうだあねえ。
お休みでも、ボチボチお散歩すんのに日向ある方が良いよねえ」
二人はドキドキしながら夕方からの天気に耳を傾けました。
気象予報士さんが天気を伝えます。
『本日夕方より、大量のバケツが降ります!
しかも、金属製のバケツですので、お出掛けの際はヘルメットを着用するようにして下さい!』
朝ごはんをもぐもぐしていた二人の動作が止まりました。
「え?
バケツをひっくり返したような雨じゃなくて、バケツが降るって?」
「云い間違いだよう、多分。
バケツが降るわけないよう」
二人はワハワハ笑いながら、再び朝ごはんを食べ始めました。
そして夕方になりました。
〔ガラガラ!
ガツウン……ガッシャン!〕
「ホントにバケツが降りよんよ……ありえないだわさ」
「休みでよかったねえ。
仕事だったら、帰り大事故だよねえ」
〔キキイイ……ッ!〕
〔ガッシャアアアン!〕
「「あ!」」
自転車のブレーキ音とバケツが炸裂する音が、わりと近い場所で鳴り響いた。
『今夜はバケツ注意報です』




