第7章 大王の娘の助手始めます
注エスペランサとエスは同一人物です
エスに部屋の場所の書かれた地図を渡されて早30分。俺は、床に座り込んで考えていた。
果たしてこれは部屋に行くべきなのだろうか?
それとも行かないべきなのだろうか?
いや、そもそもここは本当にエスの部屋なのだろうか?
からかわれてるだけでは無いのか?
そう考え始めると止まらない。
いや、やっぱり1回行って確かめてみるべきだ。
そうしないと分からないと思い俺は立ち上がった。
「さて深淵に飛び込みに行くか、、、、、」
そうボソッと呟いて俺はなるべく凛々しい顔を保ちながら地図にある場所へと向かった。
どれくらい歩いただろうか、
「はぁはぁはぁ、遠すぎんだろ、、、、」
うん、想像以上に遠かった
もう少なくとも1時間は歩いたぞどうなってんだこの王宮。次の曲がり角で曲がるように指示が書いてあるのに曲がり角なんてありゃしない。
終わりの見えない廊下を進んでいくと、左手から声が。
「何をやっとるんじゃ?ノーチェ
すぐそこに目的の部屋があるではないか」
「ワグネス様冗談はやめてくれ。もうかれこれ1時間は探してるんだぞ?見落としてるわけが無い」
少し考えてワグネス様は思い立ったように口を開いた。
「そうか!円卓になりたてだから分からないのも無理ないな。この廊下はな【果てなき通路】と呼ばれておってな、ある条件を満たさないと次の所へは行けないのじゃ」
「なんでそんなめんどくさい事するんだよ、、、、」
「それは万が一魔王が攻めて来た時にすぐにはやられないためじゃろ」
確かに、、、、、、、
「その条件というのはな?前に手の伸ばしながら[我の名前はノーチェ、軍師の席を司りやがて魔王を倒す者]と唱えるのじゃ」
「恥ずかしいな、、、、、」
「じゃがこれをやらないと会いに行けぬぞ?妾はそれでも大歓迎じゃが」
行けないのは困る。もうどうにでもなれと思いながら
[我の名前はノーチェ、軍師の席を司りやがて魔王を倒す者]
と唱えた
と、次の瞬間!今まで何も無かった通路に急に曲がり角が現れた。
「マジかよ、、、ワグネス様ありがと」
「分かれば良いのじゃ!では頑張れ〜」
そう言ってワグネス様の声は聞こえなくなった
その曲がり角を曲がった先にあった部屋を3回ノックして少し待つ。
「はーい」
そう答える声とともにパタパタとした足音が聞こえてくる
「おとうさm、、、、、」
エスは俺の顔を見るなり直ぐに扉を閉めてしまった。急なことに驚いて固まってしまっている間にまたドアが開き
「ちょっとこっち来てくれる?」
そうエスが言ってきた
「わかった」
そう言ってついて行くとそこには様々な魔法陣が床1面に書かれた部屋が広がっていた。
「まずはもう一度謝らせてちょうだい。勘違いしてしまってごめんなさい。あなたを変態だと思っていたわ。」
そう謝罪を言ってきたエスに向かって
「いやいいよ、誤解も解けたし」
と軽く流しつつ俺は周りの部屋に釘付けになっていた
「気になる?ここは私の研究室でね、いつもここで魔法について研究してるんだ」
「凄いね、、、ここまで大きな魔法陣は初めて見たよ、、、、、」
そう感嘆している俺に向かってエスが思わぬ提案をしてきた
「それで部屋に呼んだ件なんだけど、、、、、あの、、、その、、もし良かったら私の助手として雇われてくれないかな?」
突然の申出に俺は驚きつつ
「急に変態扱いしてきたやつの助手をやれと?」
「絶対にあなたの利益になるわよ」
「例えば?」
「私は次期大王候補なの、後悔はさせない!」
「ふーん信じていいんだな?」
「よしじゃあ取引成立ね、これからよろしく助手」
「ああこちらこそよろしくエス」
読んでくれてありがとうございます
投稿遅れて申し訳ないです
次回はお詫びのお風呂シールです
乞うご期待!