転移魔法陣の先（３）
翌日。
ワーランドの小迷宮を掃除して、転移魔法陣に乗ってみます。
アーチボルト先生も、特に一人でいってはダメみたいなことは言わなかった。
むしろ、いった先（どこかの大迷宮の隠しセクション）では慎重に行動しなさいとのこと。
本当に、やる気の一切見えない先生だけれど、あんまり自分のすることに干渉してこないのは、好感が持てるところなのです。
さて、早速、またまた転移してみました。
最初の部屋はセーフティゾーンっぽいつくりとのこと。
部屋の広さは１０×１０ｍくらい。天井高は、今までの小迷宮と比べるとかなり低くて３ｍ程度。本当に部屋って感じです。
壁は洞窟内のものではなく、石積みになっており、明らかに別世界（別迷宮）な感触。
苔の生し具合はあんまり変わらず、やはりトーチがなくても大丈夫な様子です。
今まで、ここから、ワーランド家の領内に～言い忘れていますが、ワーランド家は本当にど田舎でして、山麓にある小迷宮まで森を抜けて徒歩約１５分という状況、森林浴で癒される良きところなのです～この小迷宮を通った人が現れていないことを考えると、おそらく、とんでもない魔獣かトラップが配置されているに違いありません。
セーフティゾーン部屋を抜けると、石畳の廊下が数十ｍ続き、突き当りの壁と腰までの小さな入口、その向こう側に次の空間を迎えます。
あれでも魔獣が廊下に飛び出してくるかもしれません。
身の回りの気流を操作し、「音を出さない」「振動を起こさない」ことに留意します。
部屋の入口まで進み、手鏡を使って部屋の中を覗き込むと……
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガ
サ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガ
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ
サ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガ
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ
ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガ
サ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガサ ガ
はい、ありがとうございました。
コ ッ ク ロ ー チ
僕、もう帰ります。
転移陣に乗ってはみたものの、あれが転移陣を使って、ワーランドの小迷宮まできたら（略）
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