表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/348

(伯爵)ノーマン・フォン・ダルトーム(2)

 【王都】王城。

 こんな夜分に、謁見の間ではなく応接室に呼ばれたということは、内々の話ということだろう。

 しかも、その応接室には3人の男しかいなかった。


 俺、ノーマン・フォン・ダルトーム

 【南の国】宰相、ラルク・フォン・ベルナシソス

 そして、【南の国】国王、テリウス・サーラ


 俺も剣は護衛に預けたが、王も護衛の騎士を部屋から外している。


「すまんがノーマン。力を貸してほしい。」


 開口一番。王が頭を下げた。

 この男、基本的に武力思考である俺達ダルトーム派を相当舐めている。しかし、王族としては珍しく、無駄な自尊心はあまり持っていない。莫大な利益が得られるなら、頭の一つや二つ、軽々に下げて見せるタイプだ。


 それが分かっていても、思わず声が出なくなる。社交術は一歩も二歩も王の方が上だ。

 家宰などからは「御屋形様、王の前では一言もしゃべらないくらいでいいのですぞ。」とは言われていたが、家宰も俺も、おそらく【迷宮】絡み~しかも【魔獣暴走】~案件であると思っている。絶対に巻き込まれるに違いないのは確かだ。


「……、陛下、力を貸すも何も、まずは何事かを教えていただかないと。」


「うむ、伯を相手に余計なことをいっても仕方なかろう。【魔獣暴走】について、である。」


「もしかして、どこぞの【小迷宮】で【魔獣暴走】の兆しがあらわれましたか。」


 生まれてこの方、【魔獣暴走】などは体験したことがない。ただ、祖父や親の代には、偶発的に発生する【小迷宮】に対応できず、小規模の【魔獣暴走】が引き起り、少なくない被害が生じたことは周知の事実である。


 特に子爵領あたりで、リスク管理能力が相当低い領主の場合、万一、【小迷宮】が発生した場合、それに対する知識や未来予測、そして対応能力も低いため、領において甚大な被害が生じる事は想像に難くない。


 ただ、いかに【王家】や諸卿が【迷宮】に対する関心が薄れているにせよ、これだけ道路網の整備が進み未踏破地域が減少している事実は、もっと評価されていいものだと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ