(メイド)レイラ・アンデライト(4)
「お前たち、何やっているんだ。大丈夫か、モードさん!」
探索者風のムサイ男4人組を私達から遮るように、若い男性が入ってきました。
「ピート様!」
あ、どうやら、モードさんの知り合いが、たまたま、この辺りを通りがかっていたようです。
しかも、そのピートさんとやらの取り巻きの方も青年から壮年まで多数おられます。助かりました。
確か、モードさんから幾度か婚約者の名前が出てきて、ピートって名前だった気もします。
助けに入ってくれた方々の風体は整っていて、明らかに喧嘩なれしていない感じです。
私たちに絡んできた粗暴な探索者風4人組と比較すると特にそうですが、それでも、なにしろ日中の街中です。相手が強面でなくても、周囲の眼を気にして、普通は諦めますよね、4人組。
「なんだよ、テメエ、邪魔するんじゃねえよ、おらあ!」
諦めない様子です。
そして、そのムサクて粗暴な探索者風のガタイのデカイ男に胸倉を掴まれたのは、(多分)モードさんの婚約者の青年ではなく、おそらく話の流れから、私たちの助けに入らないといけなかった、やや長身の青年でした。
ムサクて(略)男を相手に、私を助けるため、やや長身の青年が、胸倉を掴まれつつも男を睨みつけている状況です。
私も心の中で色々いっていますが……
正直、いかに日中の街中で、しかも私たちを守ろうとしてくれている方々がいる状況であっても、怖いモノは怖い。
だけど、私の目の前で、身を張って私を守ってくれている人がいてくれる。本当に嬉しかったのです。
「恰好つけてんじゃねえ。俺たちは嬢ちゃんと用事があるんだ。どけよ!さもないと」
ムサクて(略)男は、叫びながら、拳を振り上げました。
そして、「ぶほおお!」という悲鳴とともに、うずくまってしまいました。
「「「「???????????????」」」」
「ぶほおお!」「ぶほおお!」「ぶほおお!」
4人組の男たちが、こちらに動き出そうとする度、なぜか腹を抱えてうずくまります。
……
気が付くと、信じられないことに、一人の少年が、ムサクて粗暴な探索者風のガタイのデカイ男たち4人組の一人ひとりの腹部を殴りつけて、その度に、男たちがうずくまってしまっていたのです。