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(メイド)レイラ・アンデライト(3)

 クラークさんに紹介されたレイモンド男爵家は、領都にてダルトーム領に関わる行政に携わる家柄だそうです。基本的には私の実家と同じ騎士爵(士族)の家柄だそうですが、現在の当主であるアルト様が、その業績を評価され、男爵に叙されたとのこと。


 そのため、家庭のことは家庭で熟すというのが当たり前だったのですが、世間体を考え、家人を雇用するということで、私を雇ってくれたとのことでした。

 老夫婦二人暮らしですので、奥様と一緒に邸宅を管理したりするのが主な仕事です。


 近隣にも、同様の男爵家があり、近所付き合いも多く、メイドの皆さんとも新たなネットワークを構築し、それから……ごほん、ごほん。


 隣宅で、私と同様にメイドをやっているモードさんとは、特に仲良くやっています。

 彼女は私の一級上ですが、すでに婚約は決めているため、当然、全く、結婚相手を決めることに焦っていないことは、とてもいいことだと思います。

 いい人ですし。うらやましい。うらやましいわ……


 今日も、その隣宅で働いているモードさんと一緒に、夕食の食材調達のため、買い物に出かけています。

 「秋の交遊会」も間近ということで、市場や飲食店街も、いつにも増して賑やかです。


「交遊会のシーズンになると、日中から騒ぎ始める人達がいるので、気を付けないとね。」


 変な人達に絡まれては嫌なので、モードさんのいうとおり、周りに気を付けながら二人で歩いていました。

 でも、気を付けていても、向こうから寄ってくるのは、ちょっと。

 たまに、そういうこともあるので、できるだけ不快な気持ちにならないよう、私たちも近所の仲間と一緒に外出するのですが。


 私からみても、モードさん、ちょっと可愛いんですよね。

 4人組の男達が、私達に声をかけてきます。身なりからいって、探索者って感じでしょうか。

 ちょっとお酒も入っているようですね。


「ねえ、彼女たち。俺たちと一緒に、メシに食べに行かないか?」


「仕事中ですし、お断りします。」


 大柄な男がニヤニヤ笑いながら声をかけてきます。当然ながら仕事中ですのでお断りしましたし、普通はそれで終わりなんです。

 でも、この4人、とてもしつこい!


 周囲の人も遠巻きに眺めています。

 でも、男達はお酒が入っているのか、あまり周囲を気にしていない様子。

 だって、ちゃんと「行かない」って言ってるわけですから、しつこく食い下がっても、全然、意味ないじゃないですか。


 しかも、断っているのは可愛らしいモードさんではなく、私です。

 自慢じゃありませんが、愛想がないときは、本当にこれっぽっちも愛想はないですよ。


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