【ワーランドの小迷宮】(2)
爆発
発熱を伴う急激な化学反応、気体や液体の急激な膨張や相変化、あるいは核反応の結果、急激に増大した圧力が瞬時に解放される現象。しばしば光・音響・衝撃波の発生や、機械的な破壊を引き起こす。
大辞林 第三版
というような感じでしょうか。
最初は、迷宮1階層目で、発火と気流操作の練習をしていたのだけれど、引火性のガスとかを部屋に充満させて引火させれば部屋内の隠れている魔獣とかも一度にやっつけられるのではと。
基本的には、ネズミとかスライムとかしかいませんから、この迷宮。
思うに、このあたりから目的と手段が入れ替わったのだと思います。
〇目的:魔獣を倒す。 〇手段:魔術を練習する。
↓
〇目的:閉鎖空間で爆発を引き起こす。 〇手段:魔獣を倒して経験を得る。
ということで、行きついたのは(もう行きついたのですが)粉塵爆発でした。
粉塵爆発
粉塵の濃度が一定の範囲内にあると、火花・閃光などで引火して爆発すること。石炭微粉末による炭塵爆発のほか、穀物・砂糖・プラスチックなどの粉末による爆発など。粉体爆発。
大辞林 第三版
というような感じでしょうか。
主に製造ライン関係を勉強し、高等専門学校を卒業して、工場に配属になった身としては、「そんなこと本当にできるの?」とはあまり思いませんでした。気流操作で部屋内の気流をコントロールできるわけなので、あとは塵の量や大きさがどのくらいだと事故が発生する可能性が高くなるかを実験すればよいのです。
最初は、迷宮内の埃を気流操作でかき集めて、それでは量が全然足りないので、食糧倉庫から小麦粉の袋詰めを一部かっぱらって、実験してみました。
ええ、そこに食糧を無駄に使って良心が痛むような感性は持ち合わせていません、ふふふ。
ちなみに、今は、埃や塵を一所に集めて袋詰めにしています。
すでに炭化している粉塵ですから、さながら炭鉱の埃って感じでしょうか。
おそらく、世界でこれだけ気流操作に長けているのは僕だけではないでしょうか。
ま、まるで、暗殺者のような魔術だ……(ごくり)
※危険なので、良い子はマネをしないように。炭化粉塵なんて最低です。