クラス分け
A組 伯爵家子息、子爵家嫡子
B組 伯爵家子息、子爵家嫡子
C組 子爵家子息、男爵家嫡子
D組 子爵家子息、男爵家嫡子
E組 男爵家子息、騎士爵家嫡子
F組 騎士爵家子息、平民
G組 騎士爵家子息、平民
王立学園のクラス分けは主にこのような感じで行われています。
自分は一応子爵家の次男坊ですから、C組かD組になりますが、「一定のバランスを考慮し」D組になるという感じ。
とはいえ、教養課程と専門課程のように講義自体は分化されていて、高学年になると、後者の比率が増えてくるので、自ずとA組からG組の生徒が混在する状況になるようです。
ワーランド子爵家はやや落ち目の領家で、子爵家子息とはいえ、これまで社交界にも姿を見せたことのない自分としては、何らかの嫌がらせみたいなものがあるかなあと思ったんですが、クラスメートの皆さんは、自分に暖かく接してくれています。
「リード君、ごきげんよう。これまでパーティとかであったことはなかったからはじめましてかな。僕はポルセティオ家のマリノ。ダルトーム伯爵家とは特に縁があってね。伯爵閣下から、リード君とは仲良くとお声がけいただいてね。クラスは違うけれどよろしく頼むよ。」
「私もお話は聞いたわ。アルマティ家のモームよ。生徒会長とは幾度か夜会で一緒になってて、ダルトームの一員として、リード君と仲良くしてほしいという事だったわ。何かいろいろ事情はあるかもしれないけれど、そんなことは気にせず、お付き合いさせてくださいね。」
「自分は……」「私は……」
入学して一週間。
A組やB組の見知らぬ同級生たちが、休憩時間に僕のところに顔を出して、にこやかに挨拶して去っていくのです。廊下ですれ違っても気軽に声をかけてくれます。
どうして、いちいち僕の顔なんか覚えてるんでしょうね(涙)。まあ、それくらい、貴族間の交流に慣れていかないと貴族なんて出来ないんでしょうけどね。
正直、貴族の子息たちは一定のネットワークを持っていて、ある程度、誰が誰なのか分かって入学しているので、さながら、僕は「転校生」みたいなものなのかも知れませんね。
それにしても、ダルトーム伯爵。何かやったな……