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ダルトーム騎士団(8)

 ということで(どういうこと!?)、俺は、ウォード騎士団長、テザリオ副団長と一緒に、俺の部屋で雑談に講じています。「雑談なのでベント卿には同席してもらわない」とのことです。


「ところでリード君、ベント卿のことなのだけれども。こないだ学園でのパーティーのとき、サリウム領での話を聞いたそうだね。」


「そうですね。ベント卿の兄君を和解したと伺いました。また、ベルナソシス宰相の要請を請け、将来的には【南の国】の宰相の座を目されているとも。」


 そんなに簡単に【南の国】の宰相の座を、高位貴族とはいえ20歳台の若者に将来の座として確保できるのかは些か疑問ではありますが……


 少なくとも【王都】に居る公族を中心とした高位貴族の反発は強いでしょう。ただ、現状において、中央派と辺境派の間をとってサリウム伯爵家の次子を、その後継に指名することを目論むことは、各派閥間の調整として、なかなか良いアイデアなのだと思ってはいます。


「そうだな、リード君もテザリオも、そんなに簡単に決められることではないので、一つのアイデアとして提示されているものと思っているよな。まあ、そうではあるのだが。しかし……」


 しかし? テザリオさんも俺もじっとウォードさんに注目している。こうやってもったいぶっているのに大した中身でなかったら、出来る限りの嫌がらせをしてやるぜ!


「取り急ぎ、ここだけの話に留め置いてほしいのだが、実は、エミリ姫様とベント卿との間に縁談が設けられる。お互いの感触も良好だ。仕組んだのはトルド宰相で、その応援バックアップをベルナソシス宰相がしているという構図らしい。

 御屋形様もまんざらでもない様子でな。」


 えええええええええええええええええええええええええええ?

 エミリ姫様の婚約相手がベント卿!?


 俺は非常に驚いて……あれ、意外にもテザリオ副団長は落ち着いている様子。ははあ、テザリオ副団長は予めウォード団長とかトルド宰相から……


「テザリオは、あまり驚かないんだなあ。」


「というより、エミリ姫様の結婚相手って、次期辺境伯の婿となる方ですよね。その時点で、候補となる方は相当限られてくる訳で。以前であれば、それこそウォード団長の抜擢を……いえ、いえ、冗談ですって。

 姫様もあのような方ですから、貴族としての義務を疎かにするタイプではないですし、基本的には王公のご家系の方々か、他領の伯爵家の縁類か、もしかすればダルトームの子爵のどなたかという可能性事態はなくなないですが……ないですね、それは。

 そう考えると、もともとサリウム伯爵家の方というのは、そうおかしくないと思います。ただ、御屋形様の眼から見て……」

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