ダルトーム騎士団(1)
【四ノ月】に入り、【王立学園】においても新入生を迎える各種行事、すなわち貴族社会の社交の場、も一通りの落ち着きを見せ、俺の周囲のあらゆることが同様に落ち着きを……
「リード卿、次は騎士団関係の各種協議を本格的に開始することとなります。社交の場と違って、こちらの行政実務は卿の得意とするところですし、私もしっかりフォローしますから、しっかり頑張っていただかないと。」
「そうですよ、リード君。ベント卿が相当仕事を振り分けてくれていて、リード君の役割はほぼほぼ最小限になっています。私のところにも様々な要請が入っていますけれど、可能な限り、当家の家人も含めて調整していますので、是非がんばってもらえれば。」
ベント卿は飄々(ひょうひょう)と、ジェシカ・ソロム嬢はにこにこと、俺に語りかけてきました。共有するのは二人とも「貴族の矜持を持って、しっかり務めを果たしてくれ」とは云わないところです。そうですね、俺にいってもあんまり意味ないですものね。
ダルトーム騎士団リード分団。
おそらくダルトーム家の中でも、もっとも、外部勢力の影響を受けている組織と云えます。何しろ分団長の仕事は、すべてサリウム家とソロム家の深い深い関与が為されています。
いっそ、このまま彼らの思惑のまま組織を運用してくれればいいのに。
「聞こえていますよ、リード卿。」「聞こえているよ、リード君。」
……今、ダルトーム騎士団においての最大の実質上の権力者は、実はベント卿です。
リード分団ではなく、ダルトーム騎士団の内部においてです。
そして、それは俺に対しても例外ではありません。ありませんが、ベント卿が俺に相当の配慮をしてくれているのは事実です。
皆さん、いつもありがとうございます。
GWも終わりまして、本業の方がまたまた繁忙期に入ったことから、少し投稿のペースを調整します。
皆さんも可能な範囲で、愛想つかさず、リード君の活躍(?)を引き続き見守ってくれると幸いです。